さらに焦っているのは、日本からの輸入粉ミルクを赤ちゃんに与え続けてきた若い両親たちだ。中国乳製品業界が「メラミン混入」危機に遭った後、輸入粉ミルクはこれまで非常に多くの若年の父母の選択であり続けた。広東省深セン市の李松さん(男性)は子どもにずっと、日本製の輸入された森永、グリコなどのブランドの粉ミルクを選んできた。
「地震発生後、各大手スーパーで日本からの輸入粉ミルクを探しましたが、どこも品切れ。香港にまでわざわざ行きましたが、買えませんでした」。李さんをさらに憤らせたのは、震災後にやっとの事で手に入れた日本輸入食品店の粉ミルクが偽物だったことだ。
「気付いたときには子どもはもう1週間以上偽物を飲んでいました。日本の大震災につけこみ悪徳を働く店は本当に許せない」。
李さんと同様、非常に多くの若い両親はこれまで品質が信頼でき、中国の赤ちゃんにも好まれる日本製輸入粉ミルクを選び続けてきた。しかし両親らはすでに、子どもが他の粉ミルクに慣れるかどうかなどかまってられず、ブランドを変えようか考え始めている。
安徽省合肥市の汪雨さん(男性)も非常に頭を悩ませている。彼は震災後に日本製の撮影機材を一式買ったが、予定外の出費を強いられた。「もともと2万元だったのが、今では3万元近い」。汪さんは今後の部品交換も心配している。
東日本大震災により中国の各都市で「価格倍増」したのは電子製品・自動車などにはとどまらない。袁筱さんは友人と共に5つ星ホテルの日本料理店で会食をした際に驚いた。メニューの多くに「暫くご用意できません」のマーク。一部の料理は値上がりした。
店員に尋ねると理由が分かった。店の一部の海鮮食材と調味料は日本からの輸入品で、鮮度を保つために在庫を減らしていたため、供給はすでにストップしており、さらに一部の食材は東日本大震災で商社が替わり、価格が上がったと聞いた。
「店はこの機会に値段を上げたいのかどうか分からないが、私も友人も日本の今回の大震災が生活に与えるさまざまな影響を感じて、ある種の共存感を覚え始めました」と袁さんは語る。
安徽省社会科学院の社会学者王開玉氏は、世界はすでにひとつの「地球村」となっており、日本の大震災は局部的な災難であっても、日本の経済はすでに中国を含む世界とつながっていると語る。中国の一般市民は生活水準向上からも、日常生活でより多くの要素が世界と関連していることを感じる、と指摘する。
「人民網日本語版」より 2011年3月25日
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