日本がんばれ! 上海の学生も春に積極活動

 

文・写真=東京支局特約記者 岡田紘幸

チャリティーイベント当日の会場に集まった参加者たち

 

 日中学生交流団体が春の催し

4月16日午後、上海の学生団体によるイベント「笑顔で未来へつなげよう~チャリティーイベント」が上海市内の飲食店で行われた。主催は日中学生交流団体の「freebird(フリーバード)上海」。同団体は毎年このような催し物を行ってきたが、今年は別の意味を持つものとなった。東日本大震災から約1カ月過ぎ、「日本のために何かできないか」と恒例の春の新入生歓迎会を他の学生団体や震災支援活動に積極的な学生との共済チャリティーイベントとして開催、会場には上海の大学生を中心に、80人ほどが集まった。

同団体は2005年から活動を開始し、現在では日本の関東と関西、上海に拠点を持ち日中の学生たちに相互理解の場を提供してきた。上海では復旦大学を始めとした日中の学生が活動している。今回のイベントを中心的に運営した同団体副代表・上海財経大学3年の高橋達彦さんによれば「2008年の四川地震の際は、先輩たちがfreebirdとして日本で写真展などを行った。イベントの自粛ムードもある状況だが、今度は上海から日本に向けて行動したい」という思いから今回の開催に至ったという。参加者の被災地へのメッセージをスライドにして送り、両国間の絆を一層深め、さらなる日中友好を築きたい考えだ。

日中韓の若者で結成されたバンド「AMG」の演奏 屋外では自転車パフォーマンス(写真奥)も実施された

 

 海外にいる学生たちにできること

イベントでは、日中の学生が相互交流の場を持つことを重視しながら、バンドのライブ演奏や自転車パフォーマンス、日本人留学生によるマジックショーも行われた。参加者からは「中国人の友だちができた」「他の大学の人と話できる機会があまりないので、貴重な場になった」などの反応があり、高橋さんも「上海で学ぶ私たちには直接の被災地支援はできないが、参加者みんなで1つになり、上海に住む日本の若者と中国の若者から、日本の復興への祈りを届けられることができたのでは」と手ごたえを感じている。この日集まった会費の一部は、義援金として在上海日本国総領事館を通じ被災地へ届けられる。

上海ではほかにも学生が参加するイベントが開かれた。4月17日午後には、上海市内のライブハウスで人気アニメソングのチャリティーライブ「上海ヤシマ作戦」が開催された。「ヤシマ作戦」とは、日本の人気アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』に登場する停電作戦の名前。今回の東日本大震災の発生後に日本で実施された計画停電にちなんで、イベント名とされた。ライブでは、被災地への支援の思いを込め、3時間以上にわたって日本人留学生バンドの演奏やアニメソングの熱唱など行われた。収益金はすべて日本総領事館を通じ、被災地へ送られるという。当日は、日本のアニメ文化が好きという多数の中国の学生や若者が集まった。アニメキャラクターのコスプレ姿をした学生も多く、会場は大いに盛り上がった。

多くの学生が集まって交流の時を楽しんだ 盛り上がったライブ。当日は会場受付を手伝う日本人留学生もいた

 

人民中国インターネット版 2011年4月22日

 

 
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