茨坪 中心エリア
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朝もやに煙る茨坪中心エリア。絵のように美しい(写真提供・井岡山管理局旅遊管理処) |
「もともと匪賊や敗残兵の巣窟となっていた」茨坪は、今日、「井岡山風致地区」の「中心エリア」として、井岡山観光の中心地になっている。
四方を緑の山々に囲まれた盆地の中央には山から流れ下る清流の水をたたえた挹翠湖があり、この美しい湖を囲むようにして、ホテルや休養施設、みやげ物店、レストランなどの瀟洒な建物が軒を連ねる。
山下から急勾配・急カーブの自動車道を上りきって、山間に盆地が開けるのを目にすると、多くの観光客はきっと目を見張ることに。
党誕生の地・上海が「革命の原点」であるとすれば、井岡山は「革命の起点」とも言えよう。全国各地から革命の史跡を訪ねる観光団がやってくるほか、中央官庁や省政府関係の「教育基地」が設けられていて、夏季シーズンには、「基地」の施設で革命史を学ぶかたわら、井岡山の自然と風光に親しむ多くのグループで、茨坪中心エリアは満杯のにぎわいになる。
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作成・金田直次郎 |
■至れり尽くせりのサービス
ここ茨坪から出発して「小井」「大井」「黄洋界」「茅坪」「龍市」「五指峰」「筆架山」「龍潭」などの名所・史跡を巡る。
私たちが訪れたのは二月の中旬で、春節(旧正月)休暇を利用して雪山を見に来た香港からの観光客もすべて帰ったあと。観光バスもレストランもホテルも、私たちだけで「独占」するといった「最淡季」(ほんとうのシーズンオフ)だった。
レストランでは、私たちのためだけに火鉢の炭をおこしてくれ、「天然のスッポンを煮込んだのが、ここの名物料理ですから」と主人が車で市場まで買い出しに行ってくれたりと至れり尽くせりのサービスだった。
労農紅軍の主食だった「紅米飯」(地元特産の赤米を炊いた飯)と「南瓜湯」(カボチャのスープ)は今も茨坪のどのレストランでも賞味できる。赤米から醸造した「紅米酒」は文字通り濃い紅色をしていて甘く舌触りもいい。左党にはジュース感覚で飲める地酒で、地元の人は「紅軍コーラ」と称して、愛飲するとのこと。
みぞれまじりの冷たい雨が茨坪の街の通りをぬらし、濃い霧がどこからともなく湧き出して、たちまち四方の山々の姿を隠してしまう。険しい山間の厳しい風土の中で労農紅軍ははぐくまれ、八路軍・新四軍へ、そして中国人民解放軍へと発展したのだった。
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