共産党創立90周年を迎え、中国では縁の地を巡る「赤色ツアー」が人気を集めている。井岡山、延安、南昌、瑞金など革命の聖地は、この夏最もホットな旅行地となる見込みだ。延安や井岡山のホテルはすでに満室が目立ち、一部ツアーでは一割程度の値上げも実施されている。北京晨報が伝えた。
「赤色ツアー」がピークに
共産党入党の宣誓は、どの共産党員にとっても厳かな瞬間だ。今年、北京の企業や事業単位では、多くの新共産党員が革命の聖地で宣誓式を行う。
神舟国旅マーケット部門ディレクターの郭玲梅氏は、「赤色ツアーは企業など団体での申し込みが多いので、旅行社が旅程を組む際は、入党宣誓など重要な点に特別気を使っています。赤色ツアーは6月後半からシーズンに入り、7、8月の申し込みは特に多いです」と話している。
延安、井岡山は宿泊難
京城旅行社が薦める「赤色ツアー」は、江西、華東、四川、広西、陝西、湖南、重慶、貴州、海南などを行先としている。このうち売れ筋は、延安と井岡山を代表とする近郊ツアーだ。
6月20日に大手旅行サイト「携程旅行網(Ctrip)」にて、6月29日から7月4日の延安、井岡山のホテル、航空券価格を調査したところ、多くのホテルで満室となっていることが分かった。延安市では、同サイトに掲載されている13軒のうち11軒が満室、井岡山では、22軒中11軒が満室だった。サイトの紹介によると、延安、井岡山の客室で予約が最も多いのは200-300元クラスで、500元クラスの客室であればまだ余裕があるという。
このほか、北京-延安、北京-井岡山の航空券は全路線で入手困難となっている。井岡山行きの航空券は6月22日から7月2日まで全て正規料金、延安行きもほぼ同様で、20-30%オフが散見される程度だ。
「赤色ツアー」旅行者は年々増加
共産党縁の地の多くは、以前から中国国内で人気の旅行先だった。例えば重慶の渣滓洞、遵義会議会址、一大会址、嘉興南湖、瀘定橋、四渡赤水の赤水の滝などは、歴史的意義があるだけでなく、周辺の景色も美しく、観光に適している。
「2004年-2010年全国赤色ツアー発展企画要綱」では、赤色ツアーの名所を100カ所余り打ち出すほか、ある程度の規模を持ちサービス水準が高い名所130カ所余りを重点的に建設し、1840年からの4つの時代を代表する名所体系を構築することが提起されている。
予測では、中国全土で赤色ツアーに出かける人は2015年までに8億人を突破する見込み。年平均伸び率は15%で、国内旅行者数の4分の1を占めるまでになるという。これに伴う全体収入は2000億元を突破し、収入の年平均伸び率は10%以上とも言われる。また関連施設の新規直接雇用者は累計50万人、間接雇用者は200万人に上る見通し。赤色ツアー市場は大きな発展の余地があり、今後も健全かつ持続的な発展が見込まれる。
「人民網日本語版」 2011年6月22日
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