文＝曾培炎

　「改革開放」政策は、現代中国人の運命を決定づけた重要な選択であり、中国共産党が時代の発展趨勢と人々の望みを把握し、創造的に指導した、かつてない偉大な事業である。党は非常に貴重な歴史的経験を積み、それを「改革開放」という偉大な事業を前進させるにあたっての、精神的な財産としている。

一、「改革開放」は、世界の注目を集める偉大な成功をおさめ、中華民族の偉大な復興の道を開き、世界の構造にも、人類歴史の発展過程においても大きな影響を及ぼしている。

中国の近現代の歴史上、100年前の辛亥革命は、数千年にわたる封建帝政制度を収束させ、近代中国の発展に大きな門を開いた。中国共産党が指導した新民主主義革命は、「３つの大山」（帝国主義、封建主義、官僚資本主義）を倒し、新中国と社会主義の基本制度を建設し、現代の中国の発展に対し、基礎的な条件を固めた。1978年、中国共産党第11期中央委員会第３回全体会議において、「改革開放」の過程が切り開かれ、中国においては、歴史的、根本的、革命的な変化が起き、それは世界の構造に対し変革と調整をもたらし、人類の発展のプロセスに大きな影響を及ぼした。「改革開放」は、新しい時代においてわが党が人民を導き、推進させた偉大な革命であり、世界的注目に値する成功をなした。

わが国は、高度に集中した計画経済体制から、活力に満ちた社会主義市場経済体制への偉大なる歴史的転換を成功裏に実現し、中国は、完全な市場経済における地位を備えた国家となっている。新中国の成立後、わが国は、高度に集中した計画経済を実行している。「改革開放」は、硬直化した経済制度に風穴をあけ、社会主義市場経済体制の絶え間ない改善により、深く、広範囲にわたる変革のなかで社会主義制度を堅持し、また、社会主義の条件のもとでの市場経済の発展を成し遂げている。計画経済を主とし、市場の調整で補助とし、計画経済と市場の調整との結合、社会主義市場経済体制などの段階を経て、中国の国情にあい、また有機的な活力にみちた体制メカニズムを形成し、発展させ、また国家のマクロ調整のもと、市場が資源の配置に対し、基本的な作用を発揮する経済管理制度を築いている。これにより経済活動は、市場の経済規律に基づいて循環し、全社会の資源配置の効率はレベルアップし、社会生産力は、解放され、経済社会発展の強い動力と活力が保たれ、13億の中国人民は、時代の潮流に追いついて歩んでいる。現在、世界の150の国が中国の市場経済における地位を承認している。

我が国は、閉鎖、半閉鎖経済から全方位において開放された経済への偉大なる歴史的転換を成功裏に実現し、中国は、世界経済における重要な一部となっている。我々は、対外開放という基本的国策を一貫して堅持し、経済特区を沿海、沿江から内陸地区へと建設し、ＷＴＯに加盟し、毅然として対外開放の大きな門を開き、開放レベルがもっとも高い国家のひとつとなっている。中国の発展は世界と密接であり、世界の発展も中国と密接である。我々は、国際、および国内の二つのマーケット、二種類の資源を利用し、国の大門をあけて建設を行い、国際競争力を絶え間なく増強させている。現在、中国はすでに世界第一の輸出国、第二の輸入国となり、また世界第一の外貨準備高をもち、外資の投資額は世界第二であり、重要な資本輸出国である。2010年、我が国の国際貿易総額は、1978年に比べて144倍増え、外貨準備高は、1978年の1.67億ドルから現在の3万億ドル超となっている。我が国は、すでに163の二カ国間経済貿易協力システムを築き、129の二カ国間の投資協定を結び、10の自由貿易協定に調印している。特に2008年の金融危機の発生後、国際マーケットの需要が縮小するなか、迅速に動きに対応する計画を打ちだし、経済が総体的に下降するなか、回復を実現し、近年、中国経済は、世界経済成長の第一の牽引力となっている。