平和統一めざし「一国二制度」

 

小さなマカオに強い支え

中国最大のサーチエンジン「百度」で「マカオ観光」を検索すると、2820万本以上の情報が見られる。2003年、香港・マカオへの個人旅行が解禁されてから、大陸観光客が激増した。2003年から2010年末にかけて、延べ8830万人、年平均で延べ1100万人の大陸観光客がマカオに入り、入境総人数の5割以上を占める。2010年、観光客一人当たりの消費額は2660マカオドル、観光業に直接貢献した金額は353億マカオドルに上る。

マカオは面積が狭く、産業構造が単純なため、経済発達の余地は非常に限られていた。復帰後、中央政府は産業モデルの転換と新天地の開拓を積極的に推進してきた。2006年、マカオを「大珠江デルタ計画」に取り込んだ。また2009年、中央政府は700億元を投資して、広東省珠海—香港—マカオを結ぶ珠港澳大橋を建設した。中央政府はさらに、マカオと境を接する珠海に「マカオ大学横琴キャンパス」を建設し、マカオ大学に拡大の機会を与えた。

観光とカジノ業はこれまでマカオのメーン産業だった。復帰と個人旅行の解禁により、新たなビジネスチャンスがもたらされた。

マカオ環宇旅運有限公司はマカオ最大の観光会社で、2010年、30万人の大陸観光客を受け入れた。同社の戴錦超総経理は次のように語った。復帰後の11年間に、大陸からの観光客が倍増し、2010年には延べ1300万人に上った。特に個人旅行が解禁されて以来、マカオに来た大陸観光客の人数が増えただけでなく、滞在日数も復帰前の1日から2、3日まで延び、マカオ観光業のために大きく貢献した。

昨今、聖ポール天主堂跡や媽祖閣廟などマカオの有名な観光地で大陸からの観光客をよく見かける。名所旧跡を見物し、アンズ餅などの特産品を土産に買って帰るのが定番となっているようだ。

緊密化が進む両岸交流

初夏のある日の午前中、北京中心業務地区(CBD)に近いオフィスビルで張企申さんに会った。張さんは台北世界貿易センター北京代表処の首席代表だ。「きのう天津から戻ってきたばかりです。台湾と天津との合作計画の調印式に出席してきました。今日の午後は商務部(省)との打ち合わせがあります」と、多忙だ。『両岸経済協力枠組み協議(ECFA)』が調印された後、ますます忙しくなったそうだ。

「両岸の政治関係が好転している時は、経済交流も盛んになります。昨年、30組、合わせて1000人の大陸代表団を台湾に送り込みました。両岸関係が緊張していた2003年には、代表団は二つだけで、合わせて四十人でした」と、語っていた。

1987年から今日までに、50万人を超える台湾の企業家が大陸に投資した。現在大陸に進出している台湾系企業は15万社以上に上り、投資総額は、大陸を除く全世界への投資総額を上回った。台湾の大陸貿易への依存度も40%を超えている。台湾で有名な電子企業・台達電子の曾紀堅・中国区副総裁は大陸について、「台湾は狭く、先行き希望は持ってません。大陸へ行かなければ生存も発展も難しいのです」と、強調した。

張さんの仕事は、より多くの台湾系企業のために大陸でのビジネスチャンスを探ることだ。「政府と業界からの多大な支援のおかげで、台北世界貿易センター北京代表処の業務は順調です。外国の同業他社に羨ましがられ、嫉妬されるほどですよ」と、微笑んでいた。

さらに、台湾住民の大陸観光や親族訪問環境を整え、大陸の発展ぶりと台湾に対する誠意をより多くの台湾住民に知ってもらいたいと願っている。また、大陸と台湾は両岸経済貿易文化フォーラムと両岸農漁水利フォーラム、海峡フォーラムなど各種の交流活動を展開している。

2009年、台湾の国際金融危機への対応を支援するため、大陸側は各種の経済貿易文化交流団を組んで集中的に台湾を訪れた。台湾の統計によれば、大陸の台湾での仕入額はすでに150億米ドルを上回った。2010年6月29日に正式調印した『ECFA』は、両岸の経済貿易協力が制度化の軌道に乗ったことを象徴している。

ボブ・ホーク元オーストラリア首相は中国共産党の台湾政策に言及した際に、次のように語った。

「国家主権問題に関する中国共産党の政策は、いかなる非難も受けるべきではない。中国の国際的地位が向上するにつれて、中国共産党の政策も柔軟になり、香港・マカオ問題よりも台湾問題は必ず上手く解決できる」

 

人民中国インターネット版 2011年7月

 

 

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