新疆の美景・美食のススメ

2000年前、長安(現在の西安)を出て西へ向かった1本の道「シルクロード」は、新疆を経て、中国と西アジア、欧州の文明に繫がり、漢・唐時代の素晴らしい楽章を書き綴った。今日、新疆はその独特な美しさで多くの観光客を引き付けている。南部のパミール（帕米爾）高原から北部のアルタイ（阿勒泰）草原、西の辺境イリ河谷から東のハミオアシスと、新疆の美景と美食は観光客をとりこにするに違いない。

新疆の見逃せない美景

ウルムチ（烏魯木斉）国際大バザールウルムチの二道橋の国際大バザールに足を踏み入れると、色濃いイスラム風の建物、民族色あふれる貿易市場、ウイグル族音楽の軽やかなリズム、すれ違うウイグル族の美男美女、きっとあなたに忘れ得ない印象を与えるだろう。バザールとは、ウイグル語で市の意味。国際大バザールの広さは3万9888平方㍍、建築総面積は10万平方㍍。

このウルムチ国際大バザールは世界で規模の最も大きなバザールで、イスラム文化、建築、民族貿易が一体となったもので、新疆の観光商品の集散地であり、展示センターでもある。また、「新疆の窓」「中央アジアの窓」「世界の窓」でもある。

サイラム（賽里木）湖　サイラム湖は、新疆のボルタラ（博爾塔拉）蒙古族自治州ボルタラ（博楽）市の西南90㌔、天山西部の高山盆地の中にあり、標高は2070㍍。サイラムはカザフ語で「願いを込めて祈る」という意味。湖畔を囲んで一帯にはトウヒの林が広がり、広々とした草原がさながら緑色の絹織物の生地のように山裾に沿って湖のほとりにまで流れている。春には、サイラム湖一帯の草原には色とりどりの野花が咲き乱れ、牧畜民たちが牛や羊の群れを放牧する。牧畜民の家を訪ねてごらん、きっと馬乳酒やいろんな民族色たっぷりの美食を振る舞ってくれるだろう。每年冬には、楕円形の湖面が氷山や雪原に包まれて、さながらふわふわとした柔らかい真っ白な真綿の中に嵌め込んだエメラルドグリーンの翡翠のように見える。

タクス（特克斯）八卦城　タクス県城からイニン（伊寧）市までは119㌔。トクスはモンゴル語で「頭の大きいヒツジが出没するところ」という意味。県城に入るとすぐにランドマークの「陰陽太極図」の彫像が見える。彫像は陰陽魚眼をはめ込んだ2つの白黒の勾玉を組み合わせた円球で、周りには陰と陽の爻を組み合わせた八種の異なる卦がある。町全体が易経の八卦の構造に基づいてつくられ、通りは町の中央部から放射状に延び、すべての道路が通じ、町がつながっている。タクス県城は世界で唯一よく保存され、爻の形がそろい、規模が最も大きい八卦城だ。

イニンのカザンチ民俗街　カザンチは、もともと地元の少数民族の手工芸職人や小商人が住んでいるところだ。今もここで手作りの革靴や馬の鞭や、少数民族特有の玩具などを買うことができる。ここのもう1つの買う値打ちのあるものは、「砂絵」だ。砂絵は遠目には油絵に見えるが、実はこの絵は石や砂粒をキャンバスに接着剤でつけて創っている。

ここであなたは特色ある少数民族の家を参観することができる。昔から中央アジアとの貿易往来が頻繁で、この辺りの民家には、典型的なウイグル民家、カザフ民家のほか、また数多くの庭付きのロシア農村風の建築物がある。新疆人の庭に入ると、どの家にもブドウ棚がある。

夏、ブドウ棚の下で食事をしたり、涼を取ったり、踊ればもっと心地よくなる。少々お金を費やせば、地元の少数民族の家で本場の民族風の美食を楽しむこともできる。

新疆で外せないご馳走

ヒツジの丸焼き　ヒツジの丸焼きは新疆の最も有名な料理の1つで、食材にこだわるのはもちろん、その調理法も複雑なので、ウイグル族が最も大切なお客様をもてなす美食だ。羊を1匹丸ごと焼いたあと台車に乗せ、料理人が羊の頭に赤いリボンをチョウ結びにしてつけ、羊の口にコウサイ（コエンドロ）またはセロリを入れる。台車には食事用のナイフを用意し、店員が台車を推してテーブルを回り、来客に羊肉を自分で切り取って食べるよう進める。

ナン　ナンは焼きパンの1種で、ウイグル族、カザフ族などの少数民族の主食だ。新疆には50種以上のナンがある。よく見かけるのは肉ナンや油ナン、ゴマナンなどで、特に農村地区では、ほとんど全てのウイグル族、カザフ族の庭にはナンを焼く専用かまどがある。ナンは長持ちし、普通6カ月から10カ月保存することができる。

手づかみご飯　手づかみご飯はウイグル族の伝統的な主食で、米とヒツジ油、植物油、ニンジン、羊肉、塩など一緒に蒸し煮する。ウイグル人は食前に手を洗って手づかみでご飯を食べるため、名付けられた。

大盤鶏（ウイグル風煮込みチキン）　大盤鶏はここ数年、新疆で流行りだした料理。中国各地の新疆レストランでもよく見られる。大盤鶏は、鶏肉、ジャガイモ、赤や緑のピーマンを主な食材とし、しょう油で味付けしてとろ火で煮込む。でき上がった大盤鶏は、赤くつやつやし、味はひりひりとしびれるように辛い。そこに麺と美味しい出し汁を加えれば、主食はいらない。

新疆には、まだまだ多くの美景、美食がある。これまでのおススメはほんの一部。美しく、不思議な新疆があなたのお越しをお待ちしています。ようこそ新疆へ！

人民中国インターネット版　2011年8月