恩返しの気持ち

 

単濤=文

東日本大震災が発生すると、すでに郷土を再建し、新しい生活を始めた四川汶川大地震の被災者はじめ四川省の人々は、3年前、日本から差し伸べられた援助の手を思い出し、直ちに恩返しの気持ちを行動に移した。かつて激震に直撃された汶川、綿陽、成都、北川、阿壩、徳陽などで、各界の人々が募金活動に積極的に取り組み、恩返しの気持ちと深い同情を日本に伝えた。

「3・11」大震災の被災民のために積極的に募金をする汶川県の人々(写真提供・四川省赤十字会)

一日も早く郷土再建を

3月20日、汶川県威州鎮の董天福さんは、県赤十字会が東日本大震災のために募金活動を始めたことを聞くと、直ぐに募金の場所に駆けつけた。董さんは「テレビで日本の被災地の悲惨な映像を見て、3年前の悲惨な日々を思い出しました。ひとごとではありませんからね。あの時の救援活動、復興に際して、各地から多大な援助をいただきました。昨年10月に家を新築し、今は幸せな日々を送っています。日本の被災者のみなさんも一日も早く郷土の再建に立ち上がってほしい」と、語った。

綿陽市赤十字会は募金の便宜を図るために、銀行振り込み、現金受け付け、郵便為替の3種類のチャンネルを設けた。3月20日までに、綿陽市の各級赤十字会に集まった東日本大震災への義援金は20,900元に達した。中には、身体を支え合いながら5,000元を募金箱に入れた70歳の夫婦もいた。遊仙区忠興鎮博愛衛生院(保健センター)は、従業員全員が寄付した義援金を区の赤十字会に届けた。四川汶川大地震の時に、日本赤十字社から義援金を贈られたことに対する恩返しだった。

募金箱の前には長い列

一方、成都市赤十字会は直ちにホームページで義援金専用の銀行口座番号とホットライン番号を掲載した。3月21日午後、多くの市民が寒風をついて、赤十字会を訪れ、義援金を寄付した。同日午後6時までに、義援金は26万元を超えた。

3年前、日本赤十字社は阿壩州へ義援金と救援物資を送った。さらに金川安寧と黒水紅岩の学校再建も支援した。今回、日本が大きな災難に見舞われると、かつて援助を受けた学校の教師と生徒たちは心を痛めた。3月22日、両校の教師と生徒たちは募金箱の前に長い列をつくった。生徒たちは倹約して貯めたお金を募金箱に入れ、また、教師たちも真心を込めて寄付した。そうした貴重なお金が1元、5元、10元、100元と集まり、あっという間に全部で3,660元1角になった。真の友情をこめた義援金は中国西南の雪深い高原から、遥か数千キロも離れた日本へ届けられた。

「ひとごとではない」

3月24日、中国赤十字会四川分会の文家碧常務副会長と何旅章副会長は、四川省の人々の日本赤十字社と被災者に対するお見舞いの気持ちを伝えてほしいと、四川省各級の赤十字会で寄付した百万元と慰問の手紙を在重慶日本総領事館に届けた。

義援金伝達式で、文女史は自然災害との戦いは人類の共同の責任だ、と語った。東日本大震災を知った四川省の人々は、恩返しの気持ちを持ち続けているだけに「ひとごとではない」というのが実感だった。成都、汶川、北川などの日本赤十字社が援助する復興プロジェクトの現場で、市内のコミュニティーで、病院、学校、コミュニティー、村、企業・団体など各界の人々が、日本の被災民へ義援金を寄付した。義援金を通じて、恩返しの気持ちと真の友情を表わしている。

 

人民中国インターネット版 

 

 
人民中国インタ-ネット版に掲載された記事・写真の無断転載を禁じます。
本社:中国北京西城区百万荘大街24号  TEL: (010) 8837-3057(日本語) 6831-3990(中国語) FAX: (010)6831-3850