日本の大震災に思うこと
西北師範大学 高瑞金
「おばあちゃんが病気なの,あたしどうすればいい?」夏休みのある日、姉から電話がきた。ようやく病院についた時,もう大丈夫だと先生がいった。しかし,祖母の入院と私の人懐っこい性格のため,たくさんの病人と会って親しく語り合った。豊富な経験をたくさん手に入れた。人の死に遇ったこともある。赤の他人なのに涙があふれた。生まれて初めてこの目で家族以外の人間の死を直面して、意外なことにあれだけの強い心の痛みを覚えた。
ひとりの人の死さえあれほど辛かったのに,民族とか国家とかの災害に遭遇したら,どうなさるんだろう?今年の3月11日13時45分,日本でマグニチュード9の大地震が発生した。一瞬で花も木も家も街も人の命も、なにもかもが消えてしまった。3年前の2008年,中国の四川でマグニチュード8の地震が発生した。ちょうどうその時、私は高校三年生で故郷にいた。四川のすぐ近くの小さな町だが,影響がとても大きかった。あのときあの場面のあの恐怖感は一生忘れられない。だから,日本の災難は、とても身にしみた。
災難を前にして,日本人の冷静、沈着の態度がわたしを感動させた。ねばり強い我慢する精神が私に深い印象を与えた。
昔から日本は火山や地震の多い国だ。その二つの自然災害とともに生きているといわれている。地震が日本人の生活の一部だと思われる。地震はいつ発生するかも知らないが,日本列島の人は数千年も生活している。大地は動かないといわれるが、日本はいつも揺れ動いている。そういう体験がある日本人は別の地理環境に暮らしている人間と比べると,自然観が違っている。
大自然に出現する猛烈な災害は、日本人に無常観を身をもって感じさせる。これによって,自然に従い、精一杯風土に馴染むという習性になっている。「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。沙羅双樹の花の色。盛者必衰のことわりをあらはす。おごれる人も久しからず,ただ春の夜の夢の如し。」有名の「平家物語」の中で「諸行無常,盛者必衰」という思想があることからみれば,日本人の無常観念は昔からあることだ。したがった,日本人が今度の震災に対しての態度もわかりやすいと思う。
日本人の美意識には「物の哀れ」がある。「物の哀れ」というのは,人生の機微やはかなさなどに触れたのに感ずるじみじみとした情趣からだ。
日本の大震災について,日本人の精神世界を思い描いた。大和という民族は全体からいえば,とても素晴らしい。私たちにとって勉強する価値があるかもしれない。日本人民がこの難関を乗り越えたら、遠くに光があふれていると私は信じている。
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