相互信頼を増進し、協力を強化する 野田訪中展望

 

相互信頼を増進し、協力を強化する「野田佳彦日本首相の訪中展望」と題する「中国の焦点」(解説記事)を配信した。全文次の通り。

日本の野田佳彦首相が温家宝総理の招きで、12月25日から26日まで中国を公式訪問する。野田氏の訪中は今年8月の首相就任後初めて、民主党の政権担当後、日本の首相が中国を訪問するのも初めてで、内外世論の注目を集めている。

北京の中日問題専門家は、野田氏の歳末の中国行きは今年の中日交流の「締めくくり」であり、両国の指導者は中日間の政治相互信頼の深化、実務協力の促進、国民感情の増進、意見の食い違いの適切な処理など重要な議題について突っ込んで意見を交換し、来年の中日国交正常化40周年の関連行事の計画を立て、中日の戦略的互恵関係の今後の発展の方向を示すだろうとみている。

国交正常化40周年に向けた良好な雰囲気づくり

2012年に中国と日本は国交正常化40周年を迎え、中日関係は重要な発展のチャンスに臨んでいる。専門家は次のようにみる。この重要な節目にあたった野田氏の訪中は、両国が国交正常化40周年を迎えるための良好な基礎を築くのに有益である。当面、国際情勢が複雑で、大きく変化している背景の下で、中日の指導者が二国間関係その他の共に関心をもつ重大な問題について直接意見を交わすのは、新たな時期の中日の戦略的互恵関係を発展させるうえで重要な現実的意義をもつことだ。

「両国とも今回の訪問を非常に重視しており、中日の指導者は国交正常化40周年の関係行事について展望、企画し、両国関係における問題について率直に意見を交わし、中日の戦略的互恵関係を深化させるだろう」、徐敦信元駐日中国大使は記者のインタビューにこう語った。

中日国交正常化以来、両国関係は尋常でない道を歩んできた。そして冷熱起伏を経ながらも、総じて前進の勢いを維持した。

清華大学現代国際関係研究院の劉江永副院長は、野田氏の今回の訪問は日本で震災復興が進み、世界の金融情勢が激しく揺れ動き、国際・地域情勢が複雑に変化している背景の下で行われるもので、政治相互信頼と実務協力を一段と強めるのは両国が互恵・ウィンウィンを実現し、力を合わせて金融危機に対応し、地域と世界の平和・安定を守るために客観的に必要なことだとみている。

政治相互信頼と国民感情の増進は差し迫った任務

外務省の説明によると、野田氏の滞在中、胡錦涛国家主席、呉邦国全人代常務委委員長がそれぞれ会見し、温家宝首相が会談を行う。

中日問題の専門家は次のようにみている。いかにして政治面の相互信頼、経済・貿易分野の協力および人文〈人と文化〉交流、国民感情を増進し、両国関係における意見の食い違いを適切に処理するかが、両国指導者が重点的に討議する議題になるだろう。このほか、朝鮮半島の最新情勢、6カ国協議、中日韓協力も両国指導者の会談の議題になるだろう。

専門家はこう指摘する。目下、中日間にはなお、政治相互信頼が足りず、国民の友好的感情の土台がしっかりしていないという問題が存在する。政治相互信頼を強め、国民感情を深めることは両国が抱えている差し迫った任務であり、野田氏の訪中の重要な使命でもあるだろう。

今年日本で大地震が起きると、中国人民はさまざまな方法で、いち早く支援活動を行い、無数の日本の民衆を感激させ、両国の国民感情を改善する好ましい雰囲気をつくった。

日本の竜谷大学名誉教授で、北京大学客員教授の卓南生氏は次のようにみている。中日の国民感情がいつも変動するのは、双方の相互理解が欠如していることの結果というよりは、目下、両国の政治相互信頼が足りなかったり摩擦が激化したりしていることの反映と言ったほうがよい。したがって、各分野、多段階の人文交流を通じて世論の土台を固めることはもとより重要だが、もっと重要なのは、中日関係における敏感な問題に適切に対応し、つねに両国関係の大局を重んじて、節外枝を生ずる〈別の問題が派生する意、わざと障碍を来して問題が順調に解決されないようにすることを指す〉ことを避けるべきである。

 

「新華社日本語版」 2011年12月25日

 

 

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