2010年の南アフリカW杯といえば、白熱した試合の話以外に、人々にとって最も印象的だったのは恐らく、「呜呜祖拉(vuvuzela)」と呼ばれるあのラッパの音だろう。多くの人々にとって意外だったのは、この細長いプラスチック製ラッパの90%が義烏市で生産されたということだ。
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義烏国際商業貿易城(写真提供・義烏市新聞弁公室) |
各店舗3分間、要する日数は1年以上
義烏市は上海市から300㌔のところに位置している。
義烏市の大通りを歩くと、まるで国際的な大都市に来たかのようだ。米国のファストフード、韓国の焼肉、日本料理、モスレムの清真料理など、あまりに多くの種類に目がくらむ。ほぼすべての看板や標識には、英語、韓国語、日本語、アラビア語など4、5カ国語が併記されている。初めて義烏市に来た人は、往々にしてさまざまな皮膚の色の人とすれ違うことに驚く。ほとんどの個人経営のホテルで、CNNやBBCなどの国際放送のテレビ番組を見ることができる。
義烏市は浙江省の中部に位置しており、1105平方㌔しかない県級市だ。常住人口は123万人で、そのうち県外から来た人は59万人にも達する。
これらはすべて、義烏小商品城(日用雑貨卸売市場)によるものだ。1982年に開設された義烏日用雑貨卸売市場には、簡易店舗がわずか531店ほどあるのみだった。しかし今では店舗数が7万店を超え、営業総面積は470万平方㍍にもなる。概算すると、もしすべての店を3分間立ち寄り、1日当たり8時間費やすとするならば、すべての店を見て回るには1年以上の日数を要する。この卸売市場では、装飾品、玩具、靴下、衣料品、工芸品、スーツケースやバッグなど、あまりにも商品が豊富ですべてを見切れないだろう。国連の統計では、世界中のすべての商品、全部で50万種類のうち、40万種類以上の商品が、義烏市で手に入るという。
2011年、義烏日用雑貨卸売市場での取引額は515億1000万元にも上り、20年連続で全国にある大型専門市場の頂点に立ち続けてきた。
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