日系企業の魅力ある新たな投資対象

 

『人民中国』社の徐耀庭社長(左)の取材を受ける合肥市張慶軍市長(右)(写真・劉世昭)

日立建機(中国)有限公司(以下は日立建機と略す)の工場では、オレンジ色の掘削機がきちんと一列に並び、非常に壮観な眺めを呈している。「これらは、注文にしたがって製造したものです。最盛期になると供給がまったく追いつきません」と、日立建機の張榜樹副総裁はそう語った。

日本の日立建機株式会社の出資により、日立建機の中国現地法人は1995年に設立され、本社は合肥市経済技術開発区にあり、世界先進レベルの水圧掘削機の製造を主に行っている。現在、合肥での年間生産額は日立建機グループの年間総生産額の約26%を占め、同グループ内では世界最大の規模で、収益が最も高い生産拠点である。また、安徽省の新しい拠点が完成し操業を開始する予定で、2015年は同省における日立建機による掘削機の年間生産量は6万台に達する見込みであり、2011年の2.7倍となる。

日立建機の成功は、合肥市が同社に寄せた高い関心と密接に関係している。合肥市では、中国共産党合肥市委員会書記と市長が外資企業誘致と外資導入における第1の担当者となることが、すでに慣例化している。同社の拡張プログラムの交渉期間中に、合肥市政府は特別に政策審査グループを設けて、同社が提出した税収、公共賃貸住宅など多くのプランに対して審査を行って、最終的な優遇策を決定し、拡張プログラムが順調に進められるようにした。

「合肥は中国の東部に位置するが、コストは中部なみ」。統計によると、合肥の総合的なビジネスコストは長江デルタなどの先進地域と比べ35%低い。生活コストは沿海部の大都市の約3分の2ほどだ。優れた投資環境は日本企業の強い興味を引き、絶えず注目を集めている。現在、フォーチュン・グローバル企業五百社のうち、合肥に投資している外国企業は30社あり、そのうち日本企業は9社で、30%を占めている。2011年末までに、合肥市の日系企業は68社に上り、総投資額は18億6000万㌦に達した。主な事業は機械製造、家電、紡績・服装、食品加工などの分野で、各々が合肥の経済構造の転換と産業構造のアップグレードを推進する重要な力となっている。

合肥市内にある、中国の五大淡水湖の1つである巣湖

2011年11月、大和総研のリサーチレポートの中で、中国の合肥と天津は日系企業の魅力ある新たな投資対象になっていると記されていた。

張慶軍市長は「合肥は優れた投資環境だけでなく、豊かな温泉資源も有している。現在、私たちは中国の『温泉の里』の建設計画を立てており、日本の企業はこの分野で経験が豊富なので、合肥の温泉開発に是非とも加わっていただきたい」と語った。(構成・張春侠)

 

人民中国インターネット版 2012年4月

 

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