天を支える――天柱山

 

天柱山は、安徽省潜山県の北西にある。2000年以上前の春秋時代、ここは大夫・皖伯の領地であった。そのため、天柱山はもともと「皖山」とよばれていた。現在の安徽省の略称「皖」も、そこからとられたものである。

天柱山は南方の山の美しさ、北方の山の力強さを兼ね備えており、「雄、奇、霊、秀」をもつ名山として知られている。さらに豊かな文化の蓄積も、ここの大きな特徴である。

天柱山のふもとには中国仏教の発展史上、重要な位置を占める三祖寺がある。中国禅宗の三祖大師が、布教した場所として知られている。三祖・僧雋は中国禅宗における傑出した人物で、その著書である『信心銘』は中国の僧侶が著した最初の禅宗経典となっている。

三祖寺には、禅宗や三祖についての古跡や故事が多数ある。平日でさえも、香火は絶えない。毎年旧暦11月10日には「仏七法会」が行われるが、全国から多くの信徒や参拝客が訪れている。

三祖寺の西側には「山谷流泉」と呼ばれる渓流がある。そのわきに、そそり立つかのような断崖絶壁や岩石の上などには、唐・宋時代以来の摩崖石刻が300カ所あまりもあるという。李白や蘇軾、王安石、黄庭堅らの筆跡は、とくに貴重なものである。

 

人民中国インターネット版 2012年4月

 

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