周 40周年の機会をとらえて、如何にして両国の友好関係の基礎をさらに深化させ、如何にして両国の国民感情を増進し、如何にして戦略的互恵関係を発展させるべきか、ご在席の各位にお話し願いたいと思います。
唐 今年の重点は、「中日国民交流友好年」の活動をうまく行うことです。「中日国民交流友好年」の挙行は、野田首相が昨年訪中したときに、両国の指導者が共通認識に達したもので、双方は文化、教育、観光、メディア、青少年交流、友好都市などの各分野で、豊富多彩な記念行事と交流活動を展開します。初歩的な統計では、中国側の活動だけでもすでに百十余項目に達しています。この数字はさらに増え続けるでしょう。実際、少なからぬ活動がすでに幕を開け、故宮博物院精華展や「中日国民交流友好年」の日本側開幕式がいずれも成功したように、両国の民衆から好評を得ています。
今年の「中日国民交流友好年」のスローガンは「新たな出会い、心の絆」です。私は、両国のより多くの民衆が各種の交流活動に参加することを通じて、「新たな出会い」の中から「心の絆」を打ち建て、本当に中日友好が人心に深く入ることを心から期待しています。
|
2011年8月21日、北京で開催された「北京‐東京フォーラム」の分科会「安全保障対話」(newsphoto) |
葉 唐首席委員が今年は中日青少年交流を強化すると提言されたことに、私は深い感銘を覚えました。私たちはより多くの青年たちに希望を託すべきだと思います。
2010年11月、私たち第5期中日友好21世紀委員会の第1回訪日では新潟県を訪れました。唐首席委員が私たち数人を新潟大学での座談会に派遣したのですが、同大学の学生たちはとても友好的でした。私は感動し彼らに提案しました、「あなたたちを10から20人中国に招待したいがどうか?」と。ところが、まもなく3.11東日本大震災が発生してしまいました。そこで、私はまずできることをしようと考えたのです。それは、すぐに彼らを中国に招くことでした。彼らが中国を訪れた後、唐首席委員は非常に重視し、釣魚台迎賓館で日本の大学生たちを招待したのです。唐首席委員は、学生1人ひとりと親しく懇談したり、乾杯をされました。彼らはとても感動していました。私は彼らに、野田首相を含む日本の多くの政治家が、1980年代の中日青年友好交流の参加者だったことを紹介し、「あなたたちの中から、将来の首相が誕生するかもしれないよ」と話したのです。学生たちは帰国後、こもごもにお礼と敬意を示す手紙を送ったそうです。
周 われわれが、さらに長い目で中日関係を見る場合、唐首席委員は、これからの中長期的な発展から何を把握すべきだと考えておられますか。
|
釣魚台で開かれた歓迎宴で、唐家璇氏(中央)を囲んで記念撮影する新潟県立大学の大学生たち(写真提供・葉小文) |
唐 未来を展望して、中日関係を長期的に、健全で安定した発展を実現するには、双方ともに政治的な相互信頼と国民感情の増進という2つの系統的な事業をうまく行うことにさらに力を入れるべきだと考えています。その中心的なことは、双方の発展を客観的に見、正確に対応することです。また、人文的交流を大いに展開し、2国間、地域間、グローバルの各面で協力を推進し、共同利益を不断に拡大し、ともに成長、繁栄の道に歩まなければなりません。このような目標を達成するには、双方は必ず同じ方向に向かって、ともに努力しなければなりません。
中日関係は今年、歴史的発展の新たな起点に立ち、多くの発展のチャンスに直面しています。また今年は中日関係史上、非常に重要な年であり、過去を受け継ぎ未来を開き、前を受け継いで将来の道を開く1年でもあると言えます。もし双方がこのチャンスをしっかりつかみ、今年の中日関係をうまく処理することができれば、中長期的な中日関係の発展に良好な基礎を固めることができるでしょう。もしこの良いチャンスを失い、両国関係をうまく処理できないようなことになれば、そのマイナスの影響は、おそらく長期にわたることになるでしょう。だからわれわれは必ず、この得難いチャンスをしっかりつかみ、ハイレベルの往来を続け、各分野における協力関係を強化し、両国関係を今年も終始良好な発展状況に保ち、新たな発展を実現させなければなりません。
|
2011年9月15日、人民大会堂で扇千景・元日本参院議長(前列左から5人目)とSMAPの全メンバーと会見した中日友好協会名誉顧問(当時)の唐家璇氏(前列中央)(写真提供・唐家璇) |
それには当然、安定が大前提です。安定がなければ、何を語っても意味がありません。このため必ず、敏感な問題を適切に処理しなければならないのです。私は今年の中日関係に対する期待を、「穏中求進」の4文字で概括したいと思います。すなわち安定した基礎の上に、絶えず中日の戦略的互恵関係を改善し、推進するということです。それには発展の内実、創新の形式、水準の向上に注意しなければなりません。
周 本日の座談会で、委員各位にはそれぞれの分野で、それぞれの角度から、それぞれの切り口で、中日国交正常化40年来の成果、直面する課題、さらに今後の中日関係の発展について、至れり尽くせりの客観的な見解を展開して頂きました。
われわれは中日国交正常化40周年に際して開催したこの座談会が、中日関係発展の脈絡を整理し、中日関係発展の本流を明らかにし、当面する両国関係に存在している諸問題の解決法を模索したことを通じて、中日関係の長期的、健全で安定した発展を推進するために、ある程度の積極的な役割を果たすことができたと考えています。ありがとうございました。(構成・沈暁寧)
|