冷静に対応し慎重に処理

 中日国交正常化から40年、中日関係の発展の主流は各方から肯定的に受け止められています。しかし、この40年来、両国関係の発展の途中でも、ずっと、迷惑な事柄、調和を乱す事柄、人々を憂慮させる事柄が付きまとってきました。最近のことで言えば、日本側が釣魚島の付属島嶼に命名しようとしている問題、名古屋市長が南京大虐殺を否定するなどの問題が発生しています。さらに、中国が30年間、急速な経済発展を持続していることによって、日本の1人勝ちというアジア経済の局面が変わり、日本の社会心理に微妙な変化が起こり、またその他の要素も加わり、一部のメディアや民衆は中国に対してさまざまな懸念や憂慮、不信を抱いていますが、唐首席委員はこうした問題をどう見ておられるでしょうか。

 私は、両国の人々が中日国交正常化40周年を盛大に記念しているときに、誰かが発したあのような雑音は、日本国内でも人心を得られず、日本人民の本音と願望を全く代表してないと思います。私は、あのような言論が出た以後、日本各界から「正をもって邪を圧する」声が上がったことに留意しています。これは、圧倒的多数の日本人が正確な認識をもっていることを物語っています。

2005年に東京で開催された「ともに築こう、平和と繁栄」をテーマにした中日両国人民の友好大型写真展において、周明偉氏の説明を聴く川口順子首相補佐官(当時)

ここで強調したいのは、両国関係に問題が起きたときに、両国のメディアと各界有識人士の責任は重大だということです。両国国民に対して前向きで、肯定的な面からの、客観的な情報をより多く伝えることによって、双方を理性的に対応し、慎重に問題を処理するように導き、両国関係の大局に対する衝撃を防止しなければなりません。

 唐首席委員の視点に賛成でございます。私は中日両国はメディア間の交流を重視すべきだと思います。両国メディアと言論界の指導者は、中日関係の健全な発展を促す責任を持ち、両国民衆の間にわだかまる不信感の要素を和らげ、双方の民衆が両国関係向上に有利な優秀な文化を歓迎し、もてはやすように促し、客観的、理性的に2国間に存在する問題に向き合い、メディアの積極的な役割を果たすべきだと思います。

唐 当然、私は、日本国内に中国の発展に対するさまざまな見方やひいては心配があることにも注意しています。例えば、中国の軍事力の発展が不透明であるとか、中国の発展の方向に対して安心できない、ひいては脅威であると見られています。実際は、中国共産党も中国政府も、いずれも正式な文書の中で何度も、中国の発展の道と発展の方向について、国際社会に明確に表明し、厳かな誓約をしています。それは中国が確固不動に平和的な発展の道を歩むということです。この誓約は永遠に変わることはありません。そうでなければ、世界人民が承知しないだけでなく、中国人民自身も承知することはできません。中国にとって現在最も重要なのは、経済を発展させ、民生を改善するなど、自国の事柄をうまく処理することです。たとえ今後、中国がさらに強く、もっと豊かになったとしても、西側諸国のような「国が強くなれば覇を称える」という旧道を歩むことはありえません。中国では古来、「和をもって貴しとなす」ことを尊んできましたし、近代になってからは西側列強の欺きと侮りを受け、無数の動乱と苦難を経て、平和が大切なものであり、生易しいことでは得られないことをもっとも理解しているからなのです。中国には「己の欲せざるところは、人に施すなかれ」という言葉があります。このような中国が、平和的発展以外の道を選ぶことがどうしてできるでしょうか。

中日間の4つ目の「政治文書」の中で、双方は「互いに協力のパートナーであり、互いに脅威とならない」「互いの平和的発展を支持する」と明確に提起しました。これは両国政府が両国国民の根本的利益に基づいて下した重要な政治的決断であり、両国国民と国際社会に向けて発した厳かな誓約でもあるのです。我々は日本を協力のパートナーと見なし、ライバルとは見ていません。同じように、中国の発展は、日本にとって絶対に脅威ではなくチャンスであると思っています。日本はこれまで、中国の改革開放と現代化建設事業の積極的な支持者であり、参加者及び受益者でもありました。われわれは今後、日本も中国の発展の中で、終始、積極的な役割を演じ、中国との共同利益を拡大するとともに、共同発展し、ともに進歩してほしいと望んでいます。

 

人民中国インターネット版

 

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