鎮遠古城──「青酒」を飲み、友と出会う
文・写真=孫立成
古城「鎮遠」は、舞陽河畔にあり、周囲を山に囲まれている。河は湾曲し、S字形となって城を流れ、北岸は旧府城、南岸は旧防衛城で遠くから眺めると「太極図」に酷似している。悠久の歴史を誇るこの古城には、数多くの古建築、伝統的な民居、埠頭が残る。
古城、「鎮遠」は、2000年あまりの歴史があり、国家レベルの重点文物保護単位である「青龍洞」はここに位置する。青龍洞は、壮大な規模の宗教建築群であり、1388年に建設が始まっている。ここには仏教寺院、道教の社、儒教の祠廟があり、三教が一体となり、宗教建築、徽州の伝統建築、当地の民族建築が一体となり、建築博物館と呼ばれる。
青渓鎮の独特のカルスト地形、鍾乳洞のなかに流れる鉱物が豊富な地下河流、加えて醸造にむく酸性の紅い土により製造される「青酒」は、600年の歴史があり、お客に酒を勧めるのは、もっとも古い風俗である。「青酒を飲み、友達になる」という。友人と美酒を飲む際には、人々は長い年月にわたる友情の貴重さを体感するだけでなく、高原の豊かさ、鍾乳洞の神秘と歴史の源の流れを感じる。
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