「汶川」後四年 順調に再建

 

「5・11汶川地震」からすでに四年が過ぎた。当時の被災した地域も現在では、記念公園内に保存されている幾つかの倒壊した家屋や校舎を除いて、地域全体が再整備されて新しいきれいな家が立ち並び、石畳が敷かれた道の両側にある街路樹も芽を吹き、店舗が続々と開店し、青少年活動センター、公園や緑地、フィットネス器具などの公共施設もすべて整った。ここで生活を営んでいる人々は、新たな生活を始めるために日々努力している。

映秀鎮

四川省汶川県映秀鎮は「5・11汶川地震」の震央で、被害が極めて深刻だった。

震災後、ここに震災記念公園が建設された。倒壊した漩口中学校の校舎前にある石刻の時計は地震の発生時刻である2008年5月12日午後2時28分を指したまま止まっている。倒壊した校舎は見渡すかぎりの廃墟と化しており、崩れたがれきの隙間から顔を出しているあでやかな花が、旅行者や死者の供養で訪れる人々の涙をさそっている。

取材を受けている映秀鎮漁子渓村にある「漁家大院」代表取締役の蒋永福さん(右から2人目)
震災が起こる前の映秀は、青い山と美しい水に恵まれた風光明媚な小鎮で、九寨溝、臥龍パンダ保護研究センター、四姑娘山など観光名所の玄関口でもあり、旅行者は必ずこの小鎮を通って目的地を訪れていた。それで、震災後の復興プロジェクトで映秀は「旅行温情小鎮」、耐震・減災モデル地区、汶川大震災震源記念地に指定された。現在、多くの地元住民は観光関係の仕事に就いている。例えば、震災記念公園のガイド、地元の特産品を扱う商店の経営、茶屋の経営や農村生活体験ツアーの企画などによって生計を立てている。

映秀鎮の漁子渓村で「漁家大院」を経営している蒋永福さんは、以前ここで農業を営んでいた。2008年の大震災によって、耕地面積が減少した上に、断層帯を避けるために耕地をさらに手放さなければならなかった。それゆえ、現在では農民一人当たりに割り当てられる農地は、わずか130平方メートルほどとなった。作付けできる土地がないのなら、どうやって生計を立てればよいのか? 蒋さんは、村の仲間たちと共にビジネスを始めてみようと思い立った。彼らは8世帯の新築の家をぶち抜きにして、旅行者にお茶を振る舞い、地元の農産物と共に談笑を楽しめる「漁家大院」を今年5月に正式開業した。「周りの村人たちが私たちに注目しています。もしこの茶館のビジネスが軌道に乗るなら、この地域の多くの関係する産業を活気づかせることができるでしょう。ずっと悲しみに浸っているわけにはいきません。生き残った人々は、どうすれば生活がさらに向上するかを考えて希望を見いだす必要があります。暮らし向きがよくなっていくなら少しずつ悲しみも癒えていくことでしょう」

水磨鎮

汶川県水磨鎮の禅寿老街は各地の観光客を魅了している(写真・楊振生)
映秀にほど近い水磨鎮もまた地震の深刻な被災地区だ。4年をかけて再建され、地区内にある禅寿老街も現在では、きれいな商店街があり大勢の人々で非常ににぎわっている。さまざまな地元の特産物やスナック、民族衣装の店などがズラリと並び、国内各地から訪れる観光客が夢中になって、つい帰りの時間を忘れてしまうほど豊かな魅力に溢れている。

現在、水磨鎮は汶川地震後二番目の国家4A級風景名勝区に指定された。

にぎやかな禅寿老街を水辺で隔てた向こう側には、震災後新たに修築された阿壩師範専科学校がある。この学校は元々汶川の県城(県政府の所在地)にあったが、震災後ここで再建された。県城から少し距離はあるが、山あり水ありの美しい景観に加え、現代的な教育施設など、すべてがこの学校に新たな活力を吹き込んでいる。現在、水磨鎮の教育資源は非常に豊富で、幼稚園から大学まですべての教育をこの町で受けることができる。

水磨鎮の再建は設計から施工や装飾まですべて、あたかも一つの大きな山水画を描くかのようなコンセプトに基づいて実施された。その中でも、水磨羌城はとりわけ独創的な特色を持つ。農作物の刈りわらや茎などを混ぜ合わせた土塀の黄色い外壁や白い石が埋め込まれた窓台、外壁の雲のような模様、羊の頭部などのトーテム模様など、すべてがチャン(羌)族の特色が色濃く表れている。

翠月湖鎮

都江堰市翠月湖鎮にある五桂村では、震災時に主として被害を受けたのは住宅だった。それゆえ、震災後は農業従事者向けの居住区建設に取り掛かった。現在の居住区は「青い山ときれいな水に包まれた昔ながらの佇まい、田園と共存した街づくり」の設計概念が見事に実現されている。一つ一つの住宅が家主の細かな注文に応じて建造されるため、間取りから面積、庭、天井、住宅の雰囲気まで、すべてが住宅によってそれぞれ異なる。どの住宅にも水道、電気、ガスそして光通信が完備されている点では共通している。震災前の居住条件が20年近く引き上げられた。すべての住宅団地が、まるで郊外の別荘地のようであり、上海から建設支援に来ている建設作業員を羨ましがらせている。唯一の違いは、五桂村の住宅敷地内では観賞用の花や木ではなく、野菜や果物が植えられている。これも農村の住人たちの希望によるものだ。

 

 

 

 

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