沈暁寧=文 新華社=写真提供
「今じゃ、わしも金を持っている。全部袋に入れてあるよ」と、浙江省金華市洪村の程永瑞(93)さんは月に70元の基本養老金が支給される話になるたびに、顔をほころばせる。社会養老保険制度が施行されるまで、程さん夫婦は主に野菜を売って生計を立てていた。今では、2人合わせて毎月140元の養老金が支給され、生活の負担はいくらか軽減された。
程さんが暮らしている村には、60歳以上の高齢者が200人いる。「養老保険はさらに調和のとれた人間関係の構築にもつながります。以前だと、兄弟が分家すると、親の扶養が問題となり、村の幹部が間に入って調停しなければなりませんでした。今では、養老金が支給されるので、農民家庭の心配事はかなり少なくなり、取り決めをしなくても済むようになりました」と、村民委員会の鮑国富書記は言う。
この制度は個人負担、農村の集団互助、政府補助を合わせた資金調達モデルを採用している。浙江省では、個人負担の基準を国のガイドラインに沿って、年額100元から500元までの5ランクに分け、さらに弾力性を持たせるために、「各地でランクの増設・調整ができ、加入者はその中から自主的に選択して、個人負担分を支払うことができ、支払い額が多ければ多いほど支給される養老金も多くなる」と規定している。
「個人負担額が多ければ多いほど政府補助金も多くなる。現在の最高ランクを選んでもソロバンに合いますよ」と、普通よりかなり多額の政府補助金が振り込まれた口座を示しながら、嘉興市星光村の毛華良さんはうれしそうに話していた。さらに「現在、村には一人っ子家庭が多く、養老保険がないと、夫婦2人で4人、時にはさらに多くの高齢者を扶養しなければならず、負担が重過ぎます」と、付け加えた。
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