于文=文 新華社=写真提供
黒龍江長海潤滑油有限公司は大慶油田の中心にあり、民営の石油化学工業企業で、有利な地域的な資源を頼りに、主に自動車用の潤滑油、グリース、不凍液などを生産・加工している。同じく肇東市にある黒龍江金源侖特種繊維有限公司は2010年4月に設立され、黒龍江省で新技術、特殊の原料で高性能の材料を生産する初めてのハイテク会社だった。この他、肇州県には建設中の2つのプロジェクトがある。ひとつは興企祥会社で、毎日30万立方㍍の天然ガスを加工・総合利用し、もうひとつは雪貝会社で毎日5万立方㍍の天然ガスを加工・圧縮するもので、投資総額は3億元に達している。これらの民営企業が十分な発展する余地が得られるのは、いずれも大慶油田のおかげだ。
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大慶石油化学工業の60万㌧エチレン生産装置 |
中国石油天然ガス集団公司の大慶油田は毎年4000万㌧の原油、31億立方㍍の天然ガスを生産し、間もなく設立される大慶石油化学工業の120万㌧エチレン工場と共に、かなり大規模な石油天然ガス経済圏を形成している。データによると、大慶石油天然ガス経済圏は毎年周辺企業に400億元以上の市場を提供し、数千社の民営企業がそれに依存している。そのうち、一定規模以上の民営科学技術企業は1497社に上り、年生産額は251億元に達している。
「もし石油天然ガス経済圏をうっそうとした森に例えれば、国有企業としての大慶油田公司はその中で高くそびえ、最も目立つ大木で、その他のさまざまの所有制企業はまるで高木、低木、草むらのようだ。五十数年来、この大木の成長に伴い、いろいろな花、草、こんもりとした低木、高木も生き生きと成長してきている」と、大慶油田公司の王永春社長は振り返り、「公有制企業と非公有制企業は、このように、同じ青空の下で、平等に競争し、互いに促進しあっている」と付け加えた。
大慶油田は毎年社会に約300億元の市場仕入れ定額を提供し、地方民営企業の発展のためにとりわけ恵まれた条件を作り出している。2006年から、大慶市は経済開発区を建設し始め、現在170余社の企業が登録されている。目下、開発区の70%以上のプロジェクトは大慶油田の掘削・採鉱や、立て坑用の作業道具などの付属産業によって展開されている。
国有資産監督管理委員会の研究部の許部長はこう語った。一つの企業は規模がどんなに大きくても、産業チェーンの中の一つあるいは数個の部分にしかかかわれなく、産業全体にかかわることはできない。そのため、他の中小企業がその生産付属サービスを提供しなければならない。協力するパートナーを探す場合に、国有企業は協力企業がどんな所有制なのかは気にせず、ただ適切かどうかだけで判断する。
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湖南省郴州市蘇仙区に設立された民営企業・ゴスペルの輸出用デジタルテレビチューナーの生産現場 |
国有企業の働きについては、中国人民大学経済学院の劉瑞副院長はこう話した。「重要な科学技術研究開発であれば、巨額資金の投入が不可欠で、成功できるかどうか確定的でない要素が多く存在しているので、民営企業では展開しにくい。こうした基礎的な研究は普通は国有企業がすべきだ。カギとなる、あるいは基礎的な技術を国有企業が突破したら、技術における国外の独占的な地位を打破し、民営企業もその中から利益を享受できる」
例えば、液晶ディスプレー製造はディスプレー産業のカギとなる分野で、多額の資金が必要であり、技術的要求も高いが、投資と産業けん引の極めて強い効果が期待できる。かつて、外国の工場が独占的な地位を占め、液晶ディスプレーの価格を高めていた。下流に位置する製造企業はディスプレーを購入する際に、値段の交渉力に欠けていた。国内のIT製品、カラーテレビの重要な生産主体として、民営企業の利潤は絶えず圧縮されていた。
京東方科技集団公司(BOE)をはじめとする国有企業がディスプレーの分野で絶えず突破するにつれ、需給関係に変化が起き、液晶ディスプレーの価格は大幅に下がり、民営企業の利潤の余地を広げた。「京東方の発展は、産業チェーンの上流、下流に多くのビジネスチャンスを提供しているだけでなく、さらに重要なのは、海外企業の独占を打破し、わが国の産業の競争力を向上させたことだ」と、京東方の王東昇理事長が語った。
国有企業が国民経済における配置は調整されている。国務院国有資産管理監督委員会は、中央直轄企業は本業以外の産業への投資を厳しくコントロールすべきだと、再三要求している。市場経済に適応できない一部の国有企業は市場から撤退し、また一部の競争上優位を占めていない分野からも退き、再配置され、民営企業に発展の余地を提供している。
中国経済は単一の所有制構造を打破し、公有制経済と非公有制経済がともに発展する開放的な理念を提起し、国有企業と集団企業の体制改革を大いに推進しながら、さらに多くの産業分野に非公有制経済が参入できるように促進したため、社会的な富が勢いよく流れる真新しい局面を切り開き、中国が世界第二の大経済体になるように推し進めた。
「中国の巨大な経済総量と無限で多様な市場需要は、公有、非公有制経済のために発展する広い余地と協力し得る分野を提供している」と、清華大学国情研究院の胡鞍鋼院長が分析している。公有制経済と非公有制経済はすでに互いに欠かせない一体となっている。
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