釣魚島(日本名・尖閣諸島)の領有権をめぐる中日間の争いの元を作り出したのは米国だ。米国は中日間の摩擦と紛争拡大の元凶でもある。米国は40年前に実写版連続テレビドラマ「中日釣魚島紛争記」のシナリオを書き、監督。現在も中日の紛争を左右またはコントロールしている。米国は中日に口げんかをさせるが、殴り合いはさせないことを趣旨としている。この「連続ドラマ」を編み出した当初の目的は、中日を争わせ、漁夫の利を得ることだ。中日が何のもめ事もなく付き合えば、すぐに米国が火をつけるのだ。(文:郁志栄・中国海洋発展研究センター研究員。環球時報掲載)
米国は日本側の「不法な島購入」の茶番劇のために中日が激論を交し、収拾がつかない時に出てきて、口では「どちらの側にもつかない」「特定の立場をとらない」と言い、大げさに「和解を取り持つ」そぶりを見せる。だがこれと同時に日本と共に島嶼奪還の軍事演習を頻繁に行う。米日は14日、11月5日から16日まで沖縄で島嶼奪還演習を行うことを決定した。8月から9月の37日間の長きにおよぶ合同軍事演習に続くものだ。米国は法律と実力の双方を使って中日間の言い争いを操り、またはバランスを取る。第1の手として、まず双方に「道理」と「和議」を説く。これが効を奏さなければ第2の手として、当事国の面前で武力を見せつける。米国の2つの空母打撃群が東中国海の釣魚島周辺海域と南中国海に近づき巡航、訓練を行い、中日双方にどうすべきかを検討させる。中日関係が中米関係と日米関係に従属していることは争えない事実だ。
釣魚島をめぐる領有権紛争を引き起こした根源と経緯をはっきりさせて初めて、中日間の摩擦と紛糾を今後いかにして正しく処理すべきかについて、おおよその判断ができる。カイロ宣言とポツダム宣言に基づき、釣魚島およびその付属島嶼が反ファシズム戦争の成果として中国に返還されるのは理の当然で、絶対に正しい道理だ。だが米国はあくまでもその「施政権」を日本に返還した。これは米国が先に仕掛けたわなだ。日本を手先にして、中日関係をいつまでも平穏にさせず、その間に入って利益を得るためだ。
これを大前提として、われわれは釣魚島の将来に関して2つの基本的判断を下せる。第1に、現在にいたるまで米国は釣魚島の領有権をめぐる中日間の紛争のてこを常に操っている。中国が釣魚島の領有権紛争をすぐに解決したくても、米国の「許可」なしには全く不可能だ。米国が中国による日本抑圧を手助けし、釣魚島の主権を直ちに中国に返還させることは断じてあり得ない。釣魚島が歴史上、法理上誰に属すのか、米国は誰にも増してよくわかっている。それを隠してしらばっくれることで、中日関係を制約し、利益を得ようとしているのだ。だが米国による操作が永遠不変であることはありえない。世界に永遠不変のものは存在しないのだ。したがって中国は自らの既定方針に沿って、釣魚島およびその付属島嶼が中国に属し、それが反ファシズム戦争の成果であることを歴史的、法理的に証明し、広めるべく努力する必要がある。われわれは釣魚島が中国に復帰するまで煩を厭わず日本に、米国に、国際社会にこれを説かなければならない。
第2に、中国は日本に対して十字路に立っている。「主権は中国に属すが係争を棚上げし、共同開発する」との既定方針を堅持するか、日本の立場と態度に鑑みて「真っ向から対立し、寸土でも必ずや争う」方針に変更するかの十字路だ。日本右翼分子が最近、釣魚島に関して周辺海域の実効支配から実際の占領と開発、利用を図ったことで、中国は退路を断つことを強いられた。受け身的に慌ただしく応戦するよりも、全面的な動員を行い、構想を明確にし、戦略を調整し、主導的に対処する方が良い。中日関係の大局を守り、東中国海を平和、友好、協力の海にするとの精神の全体方針の下、主導的、積極的に万全の策を講じ、日本の様々な手管に防備し、打破しなければならない。
「人民網日本語版」 2012年10月15日
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