市民生活に浸透するエコ
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紅谷灘新区には自転車6000台余りが置かれ、便民サービスステーション80カ所余りが建設された(新華社) | 南昌市紅谷灘新区を散策すると、便民自転車(レンタルサイクル)がずらりとバス停や大型デパート、オフィスビルなどの近くに並んでいるのが目に入る。しばしば利用者が借りに来て、都市の大通りや路地を行き来し、それはこの地特有の美しい風景となっている。
王さんはいつも自転車を借りて通勤に使っている。「家と職場の近くにはどちらもレンタルステーションがあるので、毎日自転車で通勤しています。もうかれこれ1年以上になります」
現在、王さんのように紅谷灘新区でサイクルのレンタルカードを申請している市民はすでに3万5000人以上に達した。2009年8月8日、紅谷灘新区は真っ先に江西省でレンタルサイクルのサービスシステムを打ち出し、自転車6000台ほどを配置し、便民(市民のための便利な)サービスステーション80カ所を設けた。レンタルサイクルは市民の利便を図るほかに、効率的にエネルギーを節約し、排気ガスの排出を削減した。
「毎日延べ1万2000台から1万5000台のレンタル台数として計算すると、それはバス200台の運送量に相当し、燃料8000リットルを節約し、CO2の排出量を約50トン余り削減する計算となります」と、南昌市発展・改革委員会の柳華チーフエコノミストは語る。
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今後3年間、南昌市は毎年500台の新エネバスを投入する予定である(新華社) | これと同時に、新エネルギーバスが南昌市民の生活に導入された。2009年、南昌市は新エネルギーのバスとタクシーを大量に導入した。柳さんの紹介によると、現在、全市の省エネ・新エネ車はすでに574台に達し、今年新たに1000台の新エネ車を投入予定である。今後3年間、毎年新しいバス500台を増やしてゆく予定だ。「これらの新エネバスの使用は、市民の乗車環境を改善する一方、都市の汚染も減少させます」と柳さんは語る。
新エネタクシー運営会社の責任者程智さんの話によると、新エネタクシーは外観がきれいで、かつ最も大きな特徴は低炭素である。従来の燃料を使ったタクシーは都市で走行すると、100キロ当たり12~13リットルの燃料が必要だが、新エネタクシーは9~10リットルで十分で、省エネ率は20~30%に達するという。
そのほか、南昌市はまたエコ照明政策を推し進めている。すでに同市の公共地域に発光ダイオード(LED)街路灯1万8000個、LED景観照明百万個を取り付けている。それと同時に、政府の財政支出によって、市民に大量の省エネ電球を配布した。
現在、レンタルサイクル、新エネバス、エコ照明などの新しい物が、絶えず南昌市民の日常生活に入り込んでいる。小さいものは市民の衣食住や交通手段に、大きいものは都市建設の全体計画にと、低炭素理念は市民生活の隅々にまで浸透し始めた。
「低炭素都市の建設は、イメージや功績を上げるために行われる見せかけだけのプロジェクトではありません」と、柳さんは言う。「低炭素の発展により、市民は必ず恩恵を受けます。政策を透明化し、『目に見える低炭素都市』の建設を通じて、低炭素都市を人々の利便、人々を富ませることにつなげようと考えています」
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