中部の先進低炭素都市──江西省南昌市

 

低炭素モデル都市に向かって

他の都市と比べると、南昌市の低炭素の発展はトップクラスにあると言える。2009年11月、第1回「世界低炭素・生態経済大会と技術博覧会」が南昌市で行われた際、江西省は全国に率先して『グリーンによる勃興の道――江西省低炭素経済・社会発展要綱』を発表し、これは中国初の低炭素経済白書と呼ばれた。この大会ではまた『共同声明』が発表され、2年ごとに南昌市で世界低炭素大会を行うことが決められた。これによって、南昌市は国際低炭素経済発展都市の列に入った。

第2回「世界低炭素・生態経済大会と技術博覧会」が江西省南昌市で開かれた。23カ国と12の国際低炭素機構の代表が集まり、会議に参加した

2011年11月の第2回世界低炭素大会で、南昌市は『南昌市低炭素都市発展計画』(以下『計画』と略)を正式に発表し、低炭素発展の全体目標を確立した。つまり、国家の低炭素テスト都市からモデル都市へと歩みを進めるということである。主な任務は四つの低炭素モデル区を設立し、低炭素産業システムを建設し、低炭素・高効率の都市構造を構築することとされた。『計画』によって、南昌市は5年以内に817億元を投入し、建築、エネルギー、産業、交通、都市構造、生態、生活など7分野52項目の低炭素重点プロジェクトの実施を全面的に推し進める。その中には、太陽光発電、サービスのアウトソーシング、文化観光、低炭素交通などのプロジェクトが含まれる。

2015年までに、南昌市は低炭素産業発展の枠組みを構築し、経済総量は年平均で14.4%増、炭素排出量は年間6%減とする。都市の空気の質の優良率はずっと95%以上の安定状態を保持する。「森林のような都市と農村、庭園のような南昌」が、南昌市のレッテルとなる。

「南昌市は現在、GDPあたりのCO2排出量は中国全体の平均水準より低いですが、このことは排出削減のもっと高い目標の設定を妨げることはありません」と柳さんは語る。「2009年11月、中国政府は2020年のGDPあたりのCO2排出量を2005年の40~45%に削減し、南昌市の削減目標を45~48%と設定することを正式に約束しました」

世界初の液体レンズ生産企業である菱光科技有限公司。低炭素都市発展計画に基づき、南昌市はフィルム型太陽電池、LED照明、省エネ・新エネ車などの八大モデル基地を建設する(写真提供・南昌ハイテクパーク)
低炭素産業の面において、南昌市は「伝統産業の低炭素化、低炭素産業の中堅化」という構想に従い、経済発展のモデルチェンジを加速し、先進的な製造業、現代サービス業、高効率のエコ農業と循環型建設業を大いに発展させる。とりわけ自動車と航空、太陽光発電、ソフト・サービスのアウトソーシング、バイオ・新医薬という五つの戦略的新興産業を重点的に育成し、「千億元規模の産業群」建設を加速する。「われわれは自らスケジュールを立てました。つまり2015年末までに、低炭素産業の生産高が50%を超えることです」と、柳さんは語る。

第12次五カ年規画(十二・五)期間中、LED、太陽光発電、アウトソーシングサービスが、南昌市の三つの中堅産業となり、GDPあたりのCO2排出量は「十一・五」の初期より38%下がる見込みだ。

『計画』によると、南昌市はオーストリアと協力して、南昌市に大型国際低炭素コミュニティーを建設し、国際低炭素理念を生かして設計・建設を行い、このプロジェクトを手本にし、利用し、広めてもらうことで、より多くの南昌市民に低炭素生活に参与してもらう。中国と英国両政府の気候変動に関する協力協定で提起された「低炭素都市テストプロジェクト」も、南昌市で全面的に開始されるという。

 

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