党大会軍代表「平和的発展は実力で確保」

 

中国共産党第18回全国代表大会(党大会)に出席した人民解放軍と地方代表は、中国共産党が示した平和的発展の道を進む戦略を断固として支持することを表明した。

この10年で中国の国防力と軍隊には質的変化があった。初歩的な遠海作戦能力をもつ戦艦と第3世代戦闘機が相次ぎ就役、海外の高い注目を集め、中国の平和的発展の真の意図を疑う声も出てきた。

胡錦濤主席は第18回党大会報告で、中国は防御的国防政策をとるとし、国防建設強化の目的は国の主権、安全保障、領土保全を維持し、国の平和的発展を確保するためと述べた。

第18回党大会代表で中国船舶工業集団公司董事長の胡問鳴氏は「平和は力のバランスの結果だ。中国の平和的発展は待つでもなく、外から与えられるでもなく、実力で確保する必要がある」と指摘。

中国は国力衰退によって外国から侵略を受けた近代史がある。アヘン戦争や甲午戦争の失敗など民族の恥辱が人々に「落後すればやられる」という教訓を与えた。

第18回党大会代表で南海艦隊政治委員の王登平海軍中将は「国の海洋権益を守るために海洋強国を建設し、強大な海軍を持たなければならないことは歴史が証明している」と語る。また、「第二次世界大戦後に発生した局部的な戦争が私たちに教えているのは、力のバランスが取れてこそ平和が維持される、力の不均衡がある段階まで発展すれば、後れた側がやられる」という。

胡錦濤主席は報告の中で、国際的地位、国家安全保障、発展の利益に見合う国防強化と強大な軍隊の建設が近代化の戦略的任務だと強調した。

かつて中国航空工業集団公司、中国兵器工業集団公司の副総経理を歴任した胡問鳴代表は「中国の国防技術工業発展の根本目的はやられないため、国の安全を維持するため、平和的発展のために有力な物的保証を提供するため」とし、「この十数年、中国海軍の主力艦艇装備は近岸から近海へのシフトを実現。中国と海軍強国との距離は縮まった」と話す。

第18回党大会報告は、中国軍は世界の平和を維持する揺るぎない力であり、これまで通り各国との軍事協力を強化し、軍事の相互信頼を増進していくと指摘。

胡問鳴代表は「十年前、中国の国際的な軍事協力に対する妨害は少なかった。当時の中国の装備は国外の先進的な装備の足元にも及ばなかった。ところが今では中国の軍事強国との軍事協力にはさまざまな妨害がある」と振り返る。

世界第一の軍事強国である米国および欧州の伝統的な軍事強国の多くが依然として中国に対する武器禁輸やハイテク技術の封鎖措置を実施している。米国防省が5月に発表した中国の軍事力に関する年次報告は、中国の国防技術工業の発展に結びつけて中国の脅威を宣伝し、米国で合法的に経営を行う華為や中興といった中国企業でさえ見逃さないとしている。

胡問鳴代表はさらに、「以前、われわれは非常に弱小で、誰からも警戒されることはなく、何でも見せてくれ、学ばせてくれた。中国が強大になり、強国は中国に追いつかれ、一部の分野では抜かれたため、中国脅威を叫ぶようになった。弾道ミサイル、航空母艦、原子力潜水艦など中国の戦略的武器は抑止力となるが、脅威ではない。抑止力の目的は他国にやられないため、平和を守るため」との見方を示す。

 

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」2012年11月12日

 

 

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