中国経済の持続的発展に、3つのモデル転換が必要

 

「十八大」(第18回中国共産党代表大会)代表、中国交通銀行党委員会書記兼会長の胡懐邦会長は新華網の取材に応じ、中国経済の今後の情勢について質問された際、「これからは持続可能な発展を実現し、戦略面から3つのモデルチェンジを実現しなければならない」と表明した。

胡会長は、「中国経済の過去10年は黄金の10年で、世界が注目する発展を実現し、『中国の奇跡』を創造した。しかし中国経済の発展の過程に存在する問題もまた、非常に際立っている」と指摘した。胡会長の発言内容は以下の通り。

(一)中国のGDPは世界2位になったが、経済発展の品質を高める必要がある。近年の発展の重要な特徴は、要素投入に対する過度な依存、資源および原材料の投入に対する依存だ。例えば、中国のGDPは世界の10.5%を占めるが、このGDPを創出するために消耗した鋼材とセメントは世界の50%を占め、世界の20%のエネルギーを消費した。このような高消費・高投入による経済発展は持続不可能だ。

(二)中国は経済構造の調整という問題に直面している。経済構造は、高消費・高汚染・産業能力過剰等の業界に対して、大幅な縮小と調整を行わなければならない。しかしさまざまな原因により、この構造調整の進展は緩慢だ。

(三)中国は依然として都市化の過程にある。現在の都市化率は初めて50%を超えた。これは良い事だが、都市部・農村部の二元構造の問題が根本的に解決されていない。例えば農民工(都市部の出稼ぎ労働者)は、農民の身分でありながら都市部で働いており、市民としての福利厚生の適用対象にならないといった問題が残されている。

(四)過去10年間の高度発展の主因には、改革・開放・人口が含まれる。改革による効果は現在失われつつある。これは過去30年間の改革を通じ、経済の活力を引き出し、経済効率を高めたからだ。しかし現在、改革は新たな時期に差し掛かっており、改革を強化することにより一連の難題を解決しなければならない。開放による効果について言えば、WTO加盟後に中国は「世界の工場」、世界最大の輸出国となった。しかし現在、世界市場の需要が低迷しており、これに中国の人件費の高騰が加わり、外国貿易という経済発展の原動力が失われつつある。また人口による効果も失われつつある。中国は徐々に高齢化社会に突入しており、労働力の供給は一部の場所・地域で明らかに不足しており、人件費も高騰を続けている。ゆえに上述した3つの要素は、中国経済の発展に対して新たな課題を突きつけている。

そのため、中国経済が今後持続可能な発展を実現するためには、戦略面から3つのモデルチェンジを実現する必要がある。(1)経済小国から経済大国へのモデルチェンジ。中国はすでに世界2位の経済国になった。(2)「中国の奇跡」と呼ばれる高度成長から、常態化された成長へのモデルチェンジ。現在提案されている7%というGDP成長率は常態化された成長である。2桁成長が長期化すれば、中国のエネルギーおよび原材料が過度に消費されるため、持続不可能だ。(3)規模の拡大から、経済発展の品質の向上へのモデルチェンジ。この点について、我々は取り組みを強化する必要がある。

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」 2012年11月13日

 

 

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