現在の世界・国内情勢にあって経済体制改革の全面的深化は中国にとって特に緊迫した課題といえる。
国務院発展研究センター発展戦略・地域経済研究部の劉培林研究員は、「世界経済の環境は重要な変化が起きている。金融危機の後、先進国は構造改革を行い、新たな技術革命をはぐくんでいる。それと同時に、人類は気候変動、世界的な経済構造の調整、グローバル化などの挑戦に直面しており、これらの全ての要素が中国の経済体制改革の全面的深化を求めている」と話す。
国内に目を向けると、中国の一人当たり国内総生産(GDP)は02年の1135ドルから11年には5432ドルに上昇した。これは中国が世界銀行のいう「中所得国の罠」に陥りやすい発展段階に入ったということだ。この段階は、急成長する中で蓄積された問題を有効に解決し、経済成長パターンの転換を図り、新しい成長の原動力をみつけなければ、経済が長期停滞に陥ってしまう。
クイジス氏は、「中国と同じ発展段階にある国は『中所得国の罠』に警戒する必要がある。これを回避するには改革を進めるしかない」と語った。
党大会では、「経済体制改革の核心的問題は政府と市場の関係をうまく処理し、市場の法則をさらに尊重し、政府の役割をさらによく発揮する必要がある」と報告された。
第18回党大会代表で雅安市党委員会書記の徐孟加氏は「政府と市場の関係を正しく処理するカギは市場の役割を発揮することだ。政府がやるべきことは市場メカニズムの不足を修正することで、干渉のしすぎはよくない」と指摘する。
さらに、「過去の計画経済時代には権力を使って資源を分配していた。それだと腐敗がはびこりやすい。現在は市場が資源分配の基本的役割を発揮している。雅安では土地、鉱物資源、水力発電などほぼ全ての資源で競売と競争入札を実現し、市場によって決定できることはすべて市場によって決定している」という。
党大会の報告は、「市場の資源配分における基本的役割をより大きく、より広い範囲で発揮する」と言及した。
劉培林研究員は「政府と市場の関係処理は、政府の機能を削減し、市場の機能を強化するという簡単なものではなく、改めて両方の機能に境界線を引くことになる。市場は資源分配の方面でより重要な役割を発揮し、政府は基本的公共サービスや市場監視、社会的管理の方面で十分な役割を果たす必要がある」と説明する。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2012年11月13日
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