自民党の勝利 日本はどこに向かうのか

 

第46回衆議院議員総選挙の速報が16日に伝えられた。最大野党の自民党が圧倒的な勝利を収め、与党の民主党が惨敗を喫した。

安倍氏の政策主張に懸念

衆議院議員総選挙の結果が確定すると、近日中に特別国会が開かれ、新たな首相が誕生する。何事もなければ、自民党の安倍晋三総裁が再び首相に就任する。アナリストは、「安倍氏が6年前の就任当時と同じ主張を繰り返せば、何もできずに終わるだろう」と分析している。

安倍氏は自民党の政権公約で、人々の懸念を招く政策主張を打ち出した。内政面では日本の平和憲法の改定、自衛隊の国防軍への昇格、集団的自衛権の行使の許可を主張した。しかし法律の規定によると、憲法の条文を改定する場合、国会に対して憲法修正案を提出し、衆参両院の3分の2以上の議員による賛成を獲得し、さらに国民投票で3分の2の賛成を得る必要がある。憲法改正に対する強い反発の中、これは非常に困難なことである。

安倍氏は経済面で、大胆な金融緩和を主張しており、デフレ脱却と円高防止を主な課題とし、3%以上のGDP成長率の実現を目標としている。安倍氏は総選挙の中で、6年前の首相在任中の成績について、「日本経済が持続的に成長し、円相場が安定していた」と語った。しかし日本経済の専門家は、「当時の世界経済情勢は全体的に良好で、日本の経済成長維持は安倍政権の功労ではなく、世界経済による影響であった」と指摘した。日本経済は現在低迷を続けており、これに欧州債務危機の悪化、米国経済の回復の遅れが加わり、日本政府の金融緩和が予想されている効果を得るとは限らない。

安倍氏は外交面で、日米同盟関係の強化を主張している。沖縄県民の強い反発の中、普天間基地移設問題の解決は容易でなく、日米同盟関係の強化は困難に直面している。また日本政府による中国領・釣魚島およびその付属島嶼(日本名:尖閣諸島)に対する不法な「国有化」により、中日両国関係が著しく悪化している。日本側が中国の領土主権を損ねる行為を停止せず、実際の行動により過ちを正さなければ、中日関係が改善されることはない。

自公連立政権を重視か

衆議院総選挙後にどのような政権が生まれるか、現在も明らかになっていない。しかし日本メディアは、自民党と公明党による連立政権の誕生が確定的であると指摘したが、この連立政権に他の政党が加わるかについては依然として未知数だ。

野党が参議院の多数の議席を占める「ねじれ国会」の局面打開は、自民党新政権にとって難しい問題である。民主党は衆議院総選挙で惨敗を喫したが、参議院の最大政党であり、自民党と公明党の参議院議席数は過半数に達していない。ゆえに今後国会に提出される各種法案は、参議院をスムーズに通過できない。

安倍氏は総選挙の中で、政権奪取後に民主党と連携することはありえないと表明した。自民党と公明党の連立政権を基礎とし、参議院で一部の政策が似通った政党と「部分連合」を行い、「ねじれ国会」の局面を打開する。

アナリストは、「自民党新政権は現実離れした政策主張を調整し、実行性の高い内政・外交を推進し、ねじれ国会の局面打開の良策を講じない限り、安定的な政権基盤を築けず、苦しい執政が強いられるだろう」と警鐘を鳴らした。

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」 2012年12月17日

 

 

 

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