日本の第46回衆議院議員選挙が16日に投開票され、最大野党の自民党が294議席を獲得、選挙での最大の勝利者となった。与党の民主党は惨敗を喫し、議席は改選前の230から57と激減、8人の現役閣僚が落選する事態となった。第三極の代表的存在の日本維新の会は議席を改選前の11から54へと増やし、衆議院の第3党となった。この結果を受けて、自民党が3年ぶりに政権を奪還し、58歳の党首・安倍晋三氏が5年ぶりに首相の座に返り咲くことが確実となった。
安倍氏は16日夜、報道各社のインタビューに答え、「できる限り日中関係を改善したい」「ただし、尖閣諸島(釣魚島)が日本の領土である現状は絶対に変更しない強い意志を示したい」「首相就任後は米国を最初に訪問したい」などと述べた。これらカギとなる言葉は新政府の外交政策の基本的方向を表しており、中国各界の注目を集めている。
人民日報:新首相の3大問題処理に注目
日本の重要な隣国として、中国政府は自民党政権になってからの政策の方向に非常に注目しており、人民日報は早い時間に3つの問題で新政府の態度に注目する記事を発表した。
3つの問題とは、まず靖国神社参拝問題だ。靖国神社参拝は日本側が日本の軍国主義侵略の歴史に正しく認識し向き合うことができるか、中国を含む多くの被害国人民の感情を尊重することができるかにかかわる。日本は歴史を正視し反省すること、適切に「歴史を鑑(かがみ)とし、未来へ向う」という精神に基づき、歴史問題で厳粛な態度表明と約束を厳守することが必要だ。
2つ目は釣魚島問題だ。今年になってから、日本政府は釣魚島問題上で「島の購入」という茶番をあくまでも演じ、中日関係を谷底に陥れ、中日民間の正常な交流も深刻に破壊した。いかなる釣魚島の支配強化を意図した企ても思う通りになることはあり得ず、いかなる釣魚島カードを利用した国内民意の視線をそらそうとするやり方も、結局は自らをがんじがらめにするものであることを、日本側ははっきり意識しなければならない。
第3は平和憲法問題だ。しばらく以前から、日本の一部政治屋の中には平和憲法と「非核三原則」の修正を積極的に企て、いわゆる集団的自衛権を鼓吹し、自衛隊の国防軍への昇格を公然と主張しさえしてきた。日本側は、平和憲法は日本を平和的に改造する法的根拠であり、戦後60年余りの日本の発展を力強く保障したものでもあり、その放棄は疑いなく日本の前途を危険にさらす冒険であることを、はっきりと認識しなければならない。
上記の3つの問題はおしなべて原則的な問題であり、少しのあいまいさも許されない。中日関係は前進するのか後退するのか、まさに正念場にある。日本の新たな指導者が大局から出発し、アジアの長期的発展から出発し、紛争のエスカレートを回避し、すみやかに中日協力と地域協力など重大な議題に焦点を移すことを希望する。
日本問題研究者:中日関係の今後を分析
日本の政局の変化は、日本の未来の発展の道に影響するだけでなく、谷底にある中日関係に可変的要素をもたらす。中日関係の未来の方向について、多くの専門家が自らの観点を発表している。
中国社会科学院日本研究所の高洪副所長は、安倍氏の政治思想は右よりで、米国と連携し中国をけん制するという主張はこの数年来変わっていないが、時間の推移とともにより強硬になっていると指摘している。しかし、安倍氏は両面的手法を使い分けることに慣れた政治家であり、以前にも一方で中国と戦略互恵関係を結びながら、一方では歴史形態的反中国包囲網を構築した。彼の強硬な主張の一部は選挙目当ての言辞であり、あるものは日本を軍事強国へと発展させる願いを持つものだ。何を実行していくのか、今後の彼の政権運営の実践の中で、さらに観察と分析をしていく必要がある。
日本の新華僑報の蒋豊総編集長は、安倍氏は今回の選挙の中で経済問題をトップに置き、再度政権を担当することになれば引き続き低迷する日本経済の解決に最大の努力を払うはずだと考えている。日本銀行が発表した12月の企業短観では、大型製造業の景気判断指数はマイナス12と、連続2四半期悪化している。日本のメディアによれば、これは中日関係悪化と直接的に関連している。このため、安倍氏は再度政権を掌握して以降、日本の「国益」のためであろうと、中日関係修復について力を尽くさなければならないという。
復旦大学国際関係と公共事務学院の包霞琴副教授によれば、一部日本の中国問題専門家は「日本は大国とはいえず、中程度の強国に過ぎない。自らの力だけを頼みにはできず、必ず多くの国家と団結する必要があり、この戦略は非常にはっきりしている。このため、日本の外交とりわけ対中外交はますます強硬になっていくだろう」との認識を持っているという。
人民中国インターネット版 2012年12月17日
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