安倍氏は「走馬灯」首相になるか 専門家が分析

資料写真:安倍晋三氏

日本の再度の首相交代に注目が集まっている。安倍氏は6年前の中日関係改善を繰り返すだろうか。自民党政権はいかにして中日関係、日米関係を処理するだろうか。日本はいかにして「改憲」、「復興」等、一連の政治・経済問題を解決するだろうか。日本はどこに向かうだろうか。

安倍氏は首相就任後、自身の性格と外部環境からの制約に直面するだろう。安倍氏の政治的性格には、三つの特徴がある。一つ目は「気迫」だ。これは安倍氏の出身や経歴によるものだ。6年前の首相就任時の中国外遊、その後の辞職も、安倍氏の度胸を裏付けている。二つ目は「機転」だ。安倍氏は教条主義者ではなく、保守的色合いも現実を直視する視線を覆い隠していない。三つ目は「経験」だ。1948年の第2次吉田内閣以来、高い得票率による首相再任は64年ぶりとなる。

安倍氏は6年前の中日関係改善を再現できない可能性がある。今日の日本の情勢と民意、中日の実力差と対立、米国の置かれている環境と戦略は、かつてと大きく異る。安倍氏に中日関係改善の意向があるとしても、内外の要因から制限を受け、実行に移すことが困難だ。しかし安倍氏が総選挙の中で見せた強硬姿勢を示す可能性も低い。中日関係の悪化は日本の情勢と民意に大きく背くものであり、米国も日本の危険な遊びに付き合うつもりはない。

安倍氏の政権運営には、多くの制約が存在する。まずは、日本の政治・社会で強まる保守化傾向だ。石原氏を代表者とする日本維新の会が54議席を占め、内閣不信任案および予算関連法案を単独提出する実力を持ったが、これにより安倍氏に対する圧力が強化される。しかも安倍氏はそもそも保守派の代表人物であり、日本の右傾化を促す可能性がある。あるいは日本を実務的な方向に導くため、保守派を説得し抱き込む可能性もある。

次に、中日関係の両面からの圧力だ。一方では中日政治関係が緊張し、安倍氏に必要な対応を迫るだろう。中日のパワーバランスは、安倍氏が6年前に感じたものとは完全に異なっている。もう一方で、中日は経済・貿易で依存し合っており、安倍氏が3%の経済成長を実現するためには、中国という活路しか存在しない。中日関係の両面性は、安倍氏の政治生涯につきまとい、日本政府の政策に影響するだろう。

最後に、米国からの制約だ。米国は「アジア太平洋回帰」後、日本に対して満足しているようだが、依然として二つの懸念が存在する。一つ目は、高い得票率を獲得した安倍氏の首相就任と石原氏の国政復帰により、「米国製憲法」が改正され、米軍の日本における存在に影響が生じる可能性がある。二つ目は、日本と中国等の対立激化で、米国に中米戦争の開戦もしくは戦略的退却の選択を迫る可能性がある。米国が危機を無事に乗り越えるためには、安倍氏に圧力をかけることが最も効果的だ。

復帰した安倍氏、混沌する日本は、上述した政治・経済情勢により形成される輪の中を回るしかない。これは日本の国情によるものであり、安倍氏の政治宿命でもある。日本の首相が一年に一度交代するという現象は安倍氏から始まったが、安倍氏が「走馬灯」のような政治混乱を収束できるかについては、今後の成り行きを見守る必要がある。

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」2012年12月20日

 

 

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