ボアオ・アジア・フォーラム、中国の改革・都市化に注目

 

「両会」(全国人民代表大会と全国政治協商会議)から、近日開かれた各ハイレベルフォーラムに至るまで、中国の指導者による「改革紅利」(改革のボーナス)に関する発言が相次いでいる。都市化の進展は各領域における改革の活性剤とされており、重要な役割を演じることになる。今週末に開幕するボアオ・アジアフォーラム2013年年次総会で、改革紅利と都市化は、政界・ビジネス界の出席者および専門家・学者の議論の焦点になる。中国網が伝えた。

ボアオ・アジアフォーラム2013年度年次総会は4月6日から8日にかけて海南省博鰲(ボアオ)鎮で開かれる。テーマは「革新、責任、強力:共同発展を図るアジア」だ。同フォーラムは事前に開かれた記者会見で、「アジアの国と地域は共同発展に注意を向け、革新する勇気を持ち、共に行動し、提携と共栄を実現する必要がある」と表明した。

今年の年次総会では、一連の「革新」を主線として議題が設けられ、世界経済・主要経済体・重点分野が直面する革新の課題を網羅した。そのうち「中国改革の議事日程:新制度のボーナスを解き放つ」サブフォーラムでは国内外のエコノミストと経営者を招き、中国の改革開放から30数年の経験・教訓を総括し、今後5-15年後の改革を占う。

十八大(中国共産党第18回全国代表大会)から両会に、さらには近日開かれた各ハイレベルフォーラムに至るまで、指導者による改革紅利に関する発言が相次いでいる。これは中国政府の改革推進の決意を示すものだ。都市化はその中で、重要な推進の役割を演じるだろう。

中国共産党中央政治局常務委員の李克強総理はこのほど江蘇省・上海市を視察した際、「経済発展を持続し、重点を際立たせ、現代農業の発展により基礎を固め、都市化による内需の潜在力を秩序正しく引き出す。開放拡大の中で競争の原動力と圧力を強め、改革紅利をさらに解き放つ」と表明した。

李総理はこれまでも改革・都市化について言及してきたが、これは最新の発言内容だ。李総理はこれよりも先に、改革・都市化の関係について、「大国である中国は、内需を立脚点にしなければならない。都市化は最大の内需であり、この潜在力を引き出すためには、さらに改革が必要となる。都市化の最大の潜在力、改革の最大のボーナスを結びつけ、相乗効果を形成することで、中国経済は長期的な持久力を確保できる」と語った。

都市化の進展は、中国経済の長期的な持久力と定義されたため、今後さらに推進されることになる。報道によると、中国国家発展改革委員会が中心になり、中国財政部(財政省)、中国国土資源部(国土資源省)、中国住房・城郷建設部(住房・城郷建設省)など10以上の部・委員会と共同編成した「全国の健全的な都市化発展促進計画の綱要(2011-2020年)」が、間もなく発表される。第1稿の中では、都市化の経済成長に対する効果が、今後10年間で40兆元の投資をけん引するとされた。

2012年12月に開かれた中央経済工作会議は、「都市化は中国現代化建設の歴史的な任務であり、内需拡大の最大の潜在力を持つため、都市化の健全な発展を積極的に指導するべきだ」とした。今年の政府工作報告は、「戸籍制度・社会管理体制・関連制度の改革推進を加速する」とし、初めて「自由な移転」という言葉が用いられた。

開催を目前に控えたボアオ・アジアフォーラムで、改革紅利と都市化は、出席者の議論の焦点になるだろう。ボアオ・アジアフォーラムの竜永図・元事務局長は、「中国経済は今後も高度成長を維持する。戸籍および農村土地制度改革は最大のボーナス、経済・社会発展の最大の原動力になる」と語った。

竜氏は、「都市化は重大改革により刺激する必要がある。初めに取り組むべきは、都市部の戸籍制度改革、年金・教育・衛生など一連の国民生活の課題の改善だ。次に請負地・宅地などに関する一連の農村土地制度の改革が必要だ」と指摘した。

 

「人民網日本語版」2013年4月2日

 

 

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