2013年フォーチュン・グローバル・フォーラムが6月6日から8日にかけて中国の成都市で開かれる。今年のフォーラムは「中国の新未来」をテーマにし、中国の経済成長、中国西部の発展、グローバル社会における中国の役割などを重点的に議論することになっている。
フォーラムの開催を間近に控え、チャイナネットの記者は日本貿易振興機構(ジェトロ)北京事務所の箱崎大副所長に独占インタビューを行い、中国経済の今後の課題、中日間の貿易の新動向、また在中国日系企業はその変化にどう対応すべきかなどについて語ってもらった。
今回の「フォーチュン・グローバル・フォーラム」の開催地は中国の西部にある都市――成都であり、中国の西部が「大発展」のチャンスを迎える中、その経済の成長性は世界から大いに注目されている。日系企業の中国西部への進出や投資などについて、箱崎副所長は、日系企業が積極的に中西部への進出をはかっていることを明かした。例を挙げると、成都にはイトーヨーカ堂(華堂)、伊勢丹、四川トヨタが進出しており、武漢には東風日産、東風ホンダ、重慶には長安スズキ、建設ヤマハがある。
ジェトロのデータによると、2012年の日中間の貿易総額は3336億6442万ドルで前年比3.3%減少したが、箱崎副所長は、2013年通年の貿易総額は2012年の減少から増加に転じ、小幅成長すると予測している。また、箱崎副所長は以下のように分析する。
中国経済は工業生産や消費、固定資産投資に回復が見られるなど、2012年第3四半期を底に徐々に回復しつつある。2013年の実質GDP成長率は8%台前半に回復すると予測され、日本の対中輸出も小幅ながらも増加に転じると見込まれる。ただし、中国政府は成長率より構造改革を重視する姿勢を示しており、大規模な需要創出策が実施される可能性は低い。従って、対中輸出は増加に転じても、伸びは小幅にとどまると見られる。
一方、中国からの輸入については、日本国内における完成品に加えて部品・原材料の現地生産の進展、スマートフォンの堅調な需要、日本の景気回復や公共事業の拡大により、引き続き増加する見込みで、2013年の日中貿易は減少から増加に転じる可能性が高い。
以上のことから、2013年通年の貿易総額は2012年の減少から増加に転じ、過去最高を記録した2011年を上回る可能性が高い。
また、日本と中国の経済関係の変化に伴い、両国間の貿易取引の品目は変化すると予想される。箱崎副所長は、両国間の経済的な結びつきの強さを測る上で貿易量はあくまで材料の一つだとの見解を示した。
さらに、箱崎副所長は、「中国は製造技術の向上に伴い、垂直的分業から水平的分業に変化していくと見られ、進出企業の現地化が進めば貿易量の増加にマイナスになることもある」と示した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2013年6月3日
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