井上 俊彦=文
機会をいただいて『人民中国』雑誌社で翻訳、編集にかかわらせていただくことになったのは2010年、上海万博の時期からでした。
早いもので、北京に来てから丸3年になりますが、長年日本の雑誌業界で仕事をしてきた者として、中国で、中日両国のスタッフとともに、日本語のメディアを作るという作業は、非常に新鮮でした。いや、カルチャー・ショックでさえありました。
不思議なもので、今度は中国式の良い点を自分の仕事に取り入れられるようになりました。50代になって、四半世紀もやってきた仕事にまだまだ発見があり、勉強ができるんだということに気づくと、日常の仕事も北京での生活もより楽しめるようになりました。
経験を通じて、「相互理解」にはまずよく目を凝らし耳を傾けること、言葉と行動によって相手に自分を理解してもらうことだと感じるようになりました。「真実は一つ」と自分の正しさを押し付けるだけではなく、相手の「真実」にも耳を傾け、時間をかけて物事を進める姿勢を持てば、いろいろなことがもっとスムーズに行くのでは、というのが今私が感じていることです。『人民中国』は、そうした相互理解を促進するヒントが詰まった総合誌です。
人民中国インターネット版
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