中外融合が生む上海の風格

 

上海の空港に到着しホテルにチェックインすると、観光客はまず緑に覆われた街路を散策してみたい気持ちにかられる。そして、ビルが立ち並ぶオフィス街にしろ、古い洋館がたたずむ路地にしろ、歩いているとどこか日本にいるような錯覚をおぼえる。気を静めて考えてみれば、上海が日本と似ているはずがあるだろうか?都市の姿を眺めてみると、ビル群、洋館、都市公園、日本料理店など似た面はあるにしろ、やはりここは上海だと気づかされる。では、その錯覚はどこから来るのだろう?たぶん、上海の持つ風格が日本と似ていることが原因ではないだろうか。その風格のひとつが、繊細さだ。

繊細さは、街角の小さな店舗前に並べられ人の目を楽しませている鉢植えに、ホテルのドアボーイの客の後姿に送る目線に、レストランで個人用と取り分け用が用意されている箸に見出すことができる。これらの繊細な心配りが、旅行者をリラックスさせてくれるのだ。

その繊細さには、外国の影響が感じられる。しかし、日本やフランスを思わせる繊細さをよく味わっていくと、そこには“中国的な何か”が見出されるはずだ。中国と外国が融合した文化記号は、ここが上海であること、ワン・アンド・オンリーの上海であることを訴えかけてくる。そう、その繊細さに気づけば、より多く上海の風格を受け止めることができるのだ。

 

人民中国インターネット版 2013年7月8日

 

 
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