地元っ子でにぎわう海鮮街

 

日が暮れると通北路の各店舗の看板に灯が入りグルメたちが続々と集まってくる

旅行ガイドブックではあまり触れられないが、実は上海は新鮮な魚介料理を楽しむことができる都市でもある。夕方、地下鉄4号線楊樹浦路駅から住宅街を歩くと、突然多数のネオンが輝く細い通りが現れる。ここが、この数年地元っ子に人気急上昇中の通北路海鮮ストリートだ。

狭い通りには発泡スチロールのケースに入った新鮮な魚介類が所狭しと並べられている。浙江省などから届けられた新鮮な海の幸だ。日本でもおなじみの魚から初めて目にするものまで実に多彩。集まってくる客は、魚を実際に手にとって鮮度を確かめ、店員に値段をたずね、料理法を指定して店内の席に着き、料理が運ばれてくるのを待つ。大きめの魚は塩味で蒸す「清蒸」かしょう油煮込みの「紅焼」で、貝類はにんにくと炒めるなど、シンプルな料理法で素材の持ち味を楽しみたい。

市中心部の料理店に比べ安価で気取りがないのが、ここの人気の理由のようだ。値段交渉が必要な店と掛け値なしの店があるのもおもしろい。極めて庶民的な店ばかりで、どの店もにぎわっているが、観光客の姿はあまりない。そこで、店員にたずねてみた、「言葉が通じない外国人観光客はどうやって注文すればいい?」。すると、若い店員はこともなげに「筆談でもいいですよ。それにケータイやiPadだってあるじゃないですか」と答えた。なるほど、外国人客と店員がiPadをはさんで魚の種類や料理法を相談する、上海はそういう時代になっているのかもしれない。

エリンギを使った炒め物。外はパリッとしており中は柔らかく、塩味の中に甘さが隠れている とんかつそっくりだが、実は野菜でつくられており肉は使われていない カニの炒め物はこの海鮮ストリートの人気料理

 

人民中国インターネット版 2013年7月8日

 

 
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