科挙で知る古代の価値観

 

嘉定は南翔小籠包発祥の地

嘉定にはほかにも歴史に触れられるスポットがある。南翔鎮からタクシーで10キロほど北西に行くか、11号線終点の嘉定北からバスに10分ほど揺られるかすれば、1219年に創建された“呉中第一”の孔子廟・嘉定孔廟に着く。建物や樹齢数百年の古木も素晴らしいが、併設された上海中国科挙博物館は一見の価値ありだ。世界でも唯一という科挙専門博物館の展示を見れば、中国社会における科挙の位置づけや、合格するにはどれだけ厳しい競争を勝ち抜かなければならなかったかがよく分かる。カンニング方法だけを扱ったコーナーまであるほどだ。興味津々に見ていると、「当時は試験を受けるにも3人から5人の保証人が必要で、カンニングが発覚すれば保証人も連座制で処罰されました」と、警備担当のスタッフが説明してくれた。

孔子廟のすぐ南には嘉定紫藤園があり、見事な藤棚が見られる。その数百株以上と、日本でもめったに見かけない規模の藤棚は見事だ。嘉定区と岡山県和気町の友好交流を記念して建設されたもので、同町の協力で10年以上前から一般公開されているという。日本から運ばれた多くの品種が咲き競って地元市民を楽しませており、中日交流の歴史が新たに刻まれつつあることを教えてくれた。

 

人民中国インターネット版 2013年7月8日

 

 
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