進化するフルーツ王国

 

 フルーツ栽培は新疆の伝統産業だが、新しい側面も見えた。アルトゥシュでは政府が、フルーツ栽培の技術普及と観光開発を目的としたイチジクとブドウの農園を、それぞれ建設中だった。政府の農園というと“品種改良”の言葉が思い浮かぶが、この地で栽培されているイチジクやブドウの品種は優れており、政府が指導するのは科学的栽培法と標準化だという。果樹をどのように管理すればいいか、1本の果樹にどれだけ実をつけさせると優れた品質が得られるかなどを指導するわけだ。同市ではこれまでにも「木納格」ブドウのトレーサビリティー・システム構築を進めるなど高品質フルーツの安定供給に取り組んできている。

 

 

イチジクは日本ではそれほど日常的なフルーツではないが、アルトゥシュのものは非常に甘い高級品種で人気があるという。ただし、日持ちがしないためこれまでは地元での消費が中心だった。しかし、現在の新疆では道路や空港の整備が進んでおり、2015年にはウルムチと北京を結ぶ高速鉄道も完成するという。今後はより多くの人が、新疆フルーツの本当の美味しさを楽しめるようになるだろう。また、地元にフルーツの加工工場もできていた。これまでは余剰品は家畜の飼料などにされてきたが、工場ができ瓶詰めやジャム、フルーツティーなどに加工して販売できるようになったという。

 

人民中国インターネット版 2013年7月

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