静かだということはお客が少ないことも意味するのでは、と質問してみた。「こちらの方が気楽でいいですよ。オープン当初から2年ほどは、知名度が低いためお客も少なくて苦しかったですが、その後3年間は良くなってきました。昌吉は回族が集まって暮らす場所ですが、回族は飲食文化が独特で、ここはそれを代表する存在になってきたと思います」と話す王さんの、どこか商売人らしからぬ淡白な口ぶりは、回族の人生観を反映しているのだろうか。店内には回族の女性がまとうスカーフや各種アクセサリー、化粧品など女性が好みそうなものが並ぶ。店を訪れた日本人は私が初めてだというが、「もうすぐ道路が整備されれば、ウルムチから30分ほどで来られるようになりますので、日本の観光客の方にもぜひ来ていただきたいですね。人気商品ですか? 新疆のラベンダーなど天然素材を練りこんだせっけんです。1個15元(約250円)ですから、日本で買うよりずいぶん安いのではありませんか」王さんは、インタビューが終わると通りの向かいにある店に昼食の麺を買いに出て行った。 |