中日韓がG20で外交の心理戦を展開

 

第8回20カ国・地域首脳会合(G20サミット)が9月5、6日にロシアのサンクトペテルブルクで開かれ、中国の習近平国家主席、日本の安倍晋三首相、韓国の朴槿恵大統領が出席する。日本と韓国のメディアは、中日韓3国の首脳が1つの国際会議に出席する点に注目している。日本の共同通信社は25日、領土と歴史認識問題で対立する日本、中国、韓国の首脳がともに出席する初の国際会議だと論じた。

報道によると、中韓両国は日本が譲歩することを首脳会談の条件とし、安倍首相は「立ち話」で日本側の関係改善への意欲を見せたいと考えているが、中韓両国の態度はまだはっきりしない。今回のG20サミットで、中日韓は外交の心理戦を繰り広げると見られる。安倍政府は、歴史問題に関する発言によって日本と中国、韓国の関係が悪化し、日本の世界でのイメージに影響が及ぶことを懸念しているため、近ごろ中韓両国と対話する姿勢を強調している。そのほかに、米国の中日関係と日韓関係の悪化に対する懸念も、安倍首相に2つの隣国との関係改善を促したとの見方もある。

一方、中韓両国は安倍首相のこの考えに警戒を強めるに違いない。清華大学国際関係学院の劉江永副院長は「環球時報」に対し、安倍首相のこの行動は、世界に「日本は対話を望んでいる。問題は日本にではなく、中国と韓国にある」と思わせるためだとの見解を示した。中韓両国の指導者が安倍首相と短時間の対話や接触を行えば、安倍首相は国内に向けて、「何をしても中韓は外交において日本の顔を立てなければならない」と示すことができる。また、安倍首相の言動は日本を北東アジア地域で孤立させ、それを打破するためでもある。

日本政府の対話を行う積極的な姿勢に、韓国は最初から冷ややかな姿勢を示している。李丙琪駐日韓国大使は19日に日本の岸田文雄外務大臣と会談した際、両国首脳の対話を近く実現させることは難しいと表明。韓国の閣僚は、朴槿恵大統領はG20サミットの期間中に安倍首相とあいさつを交わす計画も、首脳会談を含む接触を行う用意もしていないと明かした。

中日米韓などの関係国の関係に詳しい日本の主流メディアの編集者は「環球時報」に対し、「日本は政治において、中国、韓国との国交成立以来の最悪の時期を迎え、安倍内閣を苦しめている。そのため、安倍首相はまず中韓両国のどちらかの首脳と会談し、問題を解決することを強く望むが、現状から言って、今回のG20サミットでは短時間の会談さえも実現が難しいだろう」との見方を示した。

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」 2013年8月27日

 

 

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