G20サミット 世界経済の回復を共同で促進

 

第8回G20サミットが9月5、6両日にロシアの「北の都」サンクトペテルブルクで開催される。2008年にG20は世界金融危機の中でサミットに格上げされた。各経済体は共に困難を乗り越える精神で協力し、市場に自信を与え、世界経済を崖っぷちから引き戻した。国際経済協力の中心的フォーラムとしてのG20の地位はこれによって固められた。だが金融危機対策の緊迫度が下がるに従い、共に困難を乗り越える精神は弱まり、マクロ経済政策の調整は困難となった。現在、世界経済は成長の原動力が足りず、世界金融危機が浮き彫りにした深いレベルの矛盾、構造的問題は依然取り除かれていない。(人民日報「鍾声」国際論評)

世界経済ガバナンスの強化は、歴史の発展における必然的要請だ。世界金融危機の衝撃の下、先進国の成長は失速し、G7は大きな被害をこうむった。これと同時に、世界経済の成長に対する途上国の寄与度が大幅に高まった。世界経済は先進国集団のガバナンスの下ではすでに立ち行かなくなっている。より公平、公正で、合理的な国際経済秩序の構築が過去のどの時期にも増して差し迫って必要となっている。先進国は新興国と共同で世界経済ガバナンスの責任を担い、新興国により大きな発言力を与える必要がある。

世界経済ガバナンスの強化は、世界経済の確かな前進に必要な保障だ。経済のグローバル化が深化し続けるに伴い、各国経済の関連性は一段と強まり、世界全体のバリューチェーン、金融資本チェーンが世界を1つにしている。協力は対抗よりずっと多くの利益を国にもたらす。途上国は大きな潜在力を持ち、世界経済成長の新たなエンジンとなる見込みがある。先進国は有益なノウハウと技術を提供することで、途上国経済のモデル転換と高度化から利益を得ることができる。世界経済ガバナンスの新たな枠組みは「一方が没落し、一方が繁栄する」ではなく、「協力・ウィンウィン」だ。

G20は先進経済体と新興経済体の対等な協議を進めることで、互恵・ウィンウィンを実現する場だ。G20サミットの発足は、世界経済の発展における客観的要請であり、歴史の進歩だ。国際経済協力の中心的フォーラムとして、世界経済ガバナンスにおけるG20の地位と役割はかけがえのないものだ。

G20サミットがこれまで遂げてきた進展には勇気づけられる。強固で持続可能かつ均衡ある成長、国際通貨基金(IMF)のクオータとガバナンス体制の改革、金融安定理事会の創設、重要な金融機関、格付け機関、影の銀行システムに対する規制・監督の強化のいずれもが世界経済ガバナンス改革を効果的に推進した。さらに重要なのは、G20の築いた主要経済体の政策調整枠組みが、世界経済ガバナンスの強化を制度面から支えたことだ。世界経済ガバナンスの強化において、各国間に摩擦や溝があるのは避けがたいことだ。グローバル化の現代、各国は協力によって利益の合流点を探さなければならない。サンクトペテルブルクサミットでG20首脳が協力し、世界経済の強固で持続可能かつ均衡ある成長を共に促すために、より積極的で力強いメッセージを発すると信じるだけの理由が人々にはある。

 

「人民網日本語版」2013年8月30日

 

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