低炭素じいさん、低炭素ばあさん

 

このほど、筆者は「新世紀花園小区」にある康国耀さん、宋杏穏さん夫婦の家をうかがった。二人は一階に住んでいて、庭にはヘチマやサヤインゲンなどの野菜やさまざまな花が植えられている。百平方メートル余りの屋内に案内されて、もっとも目を引いたのは、トイレや庭に置いてある洗面器やバケツ、瓶などさまざまな入れ物だ。「水を一回使うだけで流すのはもったいないと思います。家の水はいずれも三回使います。手を洗ったり、洗濯した後の水は、モップ洗いに使います。その後、便器洗いに使います。野菜を洗った水や金魚ばちの水は花や野菜にやります」と、康さんが紹介してくれた。生活用水の節約だけでなく、二人は雨水を貯めて野菜にかけている。

切れて作った座布団。「どんな小さな布切れでも捨てませんよ」と宋杏穏さん

もっとも感心させられたのは、エアコンの室外機の下に発泡スチロールの箱を置いてあることだった。冷房を使うと出てくる水をこの箱にしっかり貯めるわけだ。「わが家は一階なので、上に住んでいる家のエアコンから出て来る水も全部集め、再利用していますよ」。こうして、8人家族の崔さん一家は1カ月で使う水は4トン。この住宅街の住民の月平均使用量のわずか半分でしかない。自ら節水するだけでなく、二人はほかの住民にも積極的に勧めるので、「低炭素じいさん、低炭素ばあさん」と、親しみ込めて呼ばれている。

奥さんの宋さんは苦しい生活を経験してきたので、布の切れ端一枚、お粥一碗さえ捨てたことはない。家にあるソファーカバーや座布団、敷き布団など、いずれも彼女が古い布や布の切れ端を使って、自分で縫ったものだ。「年配者から『節約するなら、穀物囲いがいっぱいのときから始めなければならないよ。囲いの底が見えてからだと、慌てるだけで手遅れだよ』と言われてきました。今は生活が豊かになっていますが、だからこそ計画を立て、『底が見える前に節約を』という古人の知恵を思い出すべきだと思いますよ」と、宋さん。二人の影響を受けて育った10歳の孫も不用品を使い、手仕事をしたり、出かける前に、必ずプラグを抜いたかどうか調べたりしている。

いらなくなった紙を使って作った大きな腕時計を掲げる康国耀、宋杏穏さんの10歳の孫

 

人民中国インターネット版 2013年9月

 

 

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