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保定市にある五つ星の電谷錦江国際ホテルは、中国で初めて建築と省エネを一体化して建設した超高級ホテル。設計段階ですでに太陽光発電用のガラス壁を折り込んでいる |
「本日の発電量184.7KWH、累計発電量428219.5KWH、環境温度28度、放射照度 128ワット/平方メートル、CO2排出削減量400.9トン」。保定電谷(電子バレー)錦江国際ホテル(Power Valley Jinjiang International Hotel)のホールの電光掲示板に表示されている数字だ。因みに一日の発電量184.7キロワットの全量がこのビルの総ガラス張りの壁面で「発電」されている。
遠くから見ると、このホテルは特に変わったところはなく、より現代風でより流行の建物に過ぎない。特徴といえば、ビルの外壁の全面が濃い青色のガラス張りで、日光を受けてさんさんと輝いていることだ。近づいてみると、ガラス張りの壁に埋め込まれているのが、太陽光発電用のパネルだということがわかる。「光があれば発電できます。ここは中国初の太陽エネルギービルですよ」と、社員の一人が自慢げに説明してくれた。
中国では太陽エネルギー利用とビル建設の一体化はまだ始まったばかりで、錦江ホテルは「恐れずに最初にカニ食べた人」に違いない。説明によると、地上23階建てのホテルの南面、西面と玄関の上部に取り付けた雨風除けのひさしの合計九カ所が、3300枚の太陽光発電パネルを埋め込んだガラス壁になっている。総発電容量は300キロワットに達し、毎年、26万キロワット時を直接、国の電力ネットに送り込んでいる。この発電力は毎年、110トンの標準炭を節約し、CO2排出量を75.5トン減らしていることになる。
大ホールには天井の発電パネルを通して、明るい陽光が差し込んで来る。従来型の発電パネルは不透明で光を通さないが、このホテルは五つ星であり、先ず宿泊客の快適な居住性を考えなければならず、客室の採光、室温と、同時に外観にも配慮しなければならない。こうしたホテルの需要に合わせて、求められたのは全く新しい太陽光発電パネルだった。技術者たちは困難との闘いを経て、ついに発電できるだけでなく、透光、日よけ、エコ、遮音効果に優れているパネルの開発にこぎつけた。「われわれが開発したガラス壁は細かなところにも気を配っていますよ」と、技術者は次のように説明してくれた。太陽光発電用のパネルは温度が25度を超えると、効率が悪くなる。そこで、技術者たちはガラス壁の底部と頂上部に多数のよろい戸を設置し、通気をよくし、空気を対流させることによって、壁の温度を下げることに成功した。「かれらは呼吸できるガラス壁なのです」と誇らし気に付け加えた。
電谷錦江国際ホテルは保定市ハイテク開発区の中心部にあり、2008年10月にオープンし、今では同市の新たなランドマークになっている。さらに、このビルは「電子バレー広場」の一部になっており、すべてのプロジェクトが完成すると、ネットワークの発電能力は1.5メガワットに達し、年間発電量も171万キロワット時となり、684トンの標準炭に相当する代替エネルギーに成長し、CO2排出量を496トン減らすことができる。
人民中国インターネット版 2013年9月
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