保定市ハイテク開発区 子供の心をしっかりつかまえよう | ||||||
「一キロワット時の電力を節約すれば、400グラムの石炭と4リットルの水を節約することになります。家電を使い終わったら、プラグを抜けば、節電にもなるし、安全です」。保定市ハイテク開発区小学校の壁や廊下、教室には、このような生徒たちの手作りのCO2削減スローガンと「省エネの豆知識」のポスターが掲げられている。
二年生の于朔涵さんは転校生だ。「転校したばかりのころ、この学校はどうしてこんな面倒くさいエコを教えるのだろう」と、思っていた。しかし、于さんは次第に、水の節約に気を配るようになってきた。そして、母親と買物へ出掛ける時にエコ袋を持ち、父の飲み終わったビールの空き缶を使って、ミニロケットやペン立てに改造したこともある。宿題として週に5回書く日記のうちの3回はCO2削減に関するものだ。「今、CO2削減にすごく興味を持っています。学校の一階に、ミネラルウォーターの空き瓶回収器が置いてあり、授業が終わったらすぐ、あちこちで集めた瓶をそこに入れるのです」。これは6月1日から保定市が一部の小中学校に無料で「エコ回収器」を設置し、空き瓶を二本入れると一角のコインをプレゼントする装置だ。于さんだけでなく、どの子も予想以上にやる気満々。「朝の登校後と、休み時間には数十人の子供たちが並んで、回収器に瓶を入れる光景が毎日のように見られますよ。列が長すぎる場合には、学校側が職員を現場に派遣して秩序維持に当たらなければならないほどです」と、教師の一人が説明してくれた。「空き瓶を見つけると、子供たちは先を争って拾い、交換したコインは貯金箱に入れて、たまったお金はクラスの活動費として使っています」と、ある先生が説明してくれた。 苑先生が、CO2排出量を抑制したキャンパスづくりに向けた学校の取組みを紹介してくれた。教師たちはボールペンの代わりに万年筆を使い、これで一学期あたり「白色汚染」(レジ袋や発泡スチロール製の弁当箱やプラスチック製品などによる汚染で、白色の製品が多いことから名付けられた)の排出を十キロ削減した。また、すべてのフロアーの白熱電球を省エネ電球に替え、一学期あたり10キロワット時の電気を節約した。さらに、照明が十分に保たれれば、教室や事務室で二本が対になっている蛍光灯の一本を抜き、一学期あたり百キロワット時を超える電力消費を抑えた。加えて、「省エネアイディア・コンクール」とCO2削減をテーマとするクラス活動を行い、生徒たちに廃棄したプルトップ缶やビニール瓶、古新聞をきれいな手工芸品の材料として再利用する楽しみを教えた。 同時に、子供たちは「CO2を減らす生活スタイル」のPRにも取り組み、親戚や友だちにも呼びかけ、また、両親の車の送り迎えを週一回減らしてもらい、力の及ぶ限りに貢献している。
教職員と児童たちは全員『私の低炭素生活』という副読本を一冊持っている。教師たちが小学生の年齢と知識の程度に応じて編纂した。このほか、「低炭素の歌」をつくり、「低炭素社会」をになう子供たちの意識を高めるのがねらい。さらに、教師たちは考えをめぐらせ、それぞれの授業にその理念を盛り込む努力も重ねている。国語の授業では、『地球じいちゃん』の文章を読ませ、児童たちが環境保護を深く理解できるように始動し、算数の授業では、無駄に使われた水の総量を計算させ、ビックリ仰天するような数字と一緒に環境保護の大切さを記憶させる。音楽の授業でも、美しい伴奏に合わせて子供たちが『私たちにも残してください』を高らかに歌う。「太陽を残してください、森林に。渓流を残してください、砂漠に。森を残してください、鳥たちに......」 高慧娟校長は、CO2排出量を抑制のための教育はまず「子供の心をしっかりつかむ」ことから始めるべきだと考えている。これは幼い時から良い生活習慣を身に付けることが有益であるだけでなく、さらに大切なことは、子供たちの行動が、家族にとどまらず、社会全体にCO2削減の意識を広める上で力を発揮するからだ、という。 現在、保定市ハイテク区小学校のように、同市内のほかの小中学校も省エネ、環境保護と「低炭素都市」建設について「低炭素知識をキャンパスへ」をスローガンにした教育イベントを行っている。
人民中国インターネット版 2013年9月
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