海南省 エコ文明の発展が共通認識 |
中国南部の海南省にある、巧みに海上に建てられた「空中の鳥の巣」リゾート、夢のようなジャングル、亜龍湾の熱帯天国森林公園などの観光スポットは、中国の著名映画監督の馮小剛(フォン・シャオガン)氏に注目され、映画『非誠勿擾2』(日本語題『狙った恋の落とし方・2』)のロケがここで行われた。映画のヒットにより、ここは多くの観光客にとって最も行ってみたいリゾート地となった。 中国唯一の熱帯の島、そして中国初のエコ省として、海南省は豊かな観光資源と良質な生態環境を持っている。1999年から、海南では率先して全国初のエコ省の建設が始められた。それから13年が経ち、海南省の観光経済の発展は生態環境の保護と共に進み、ウインウインの局面を迎えた。 「生態立省」(エコ事業推進によって省を発展させる)から「グリーン勃興」まで、海南は良好な自然生態環境を十分に活用し、それを中核的な競争力として、観光経済の発展と環境保護が両立したグリーン発展の道を切り開いた。2009年、海南国際観光島建設は正式に国家戦略に格上げされた。新しい発展チャンスに直面し、海南は自身の優位性と絶え間ない革新によって、より多くの高品質なグリーン観光ブランドを作りあげ、世界各地の観光客が憧れるグリーンで調和の取れた国際観光島となっていくだろう。 山西省右玉県はかつて不毛の地だった。しかし、新中国成立以来、森林カバー率は0.3%から53%に上がった。本章冒頭に登場した余暁蘭さんは、1万ムー(1ムーは667平方メートル)余りの植林をしてきた右玉植林のシンボルともいえる人物だ。「右玉では、エコの理念は早い時期から人々の心に深く入り込んでいました」と彼女は語り、「美しい中国」に期待を寄せる。 後世の人々の利益を犠牲にして自分の欲求を満足させてはならず、エコ文明の建設、グリーン発展の実現が大切であるということは、すでに中国社会の共通認識となっている。米国の総合月刊誌『アトランティック・マンスリー』の報道によると、上海の近くにある杭州は世界最大の公共自転車システムを持ち、北京も先日公共自転車設置の試みを始めたという。自転車が再び盛んになるのは中国社会のモデルチェンジのシンボルだと筆者は考えている。『ウォール・ストリート・ジャーナル』も、中国の環境保護問題に対する関心は、すでに豊かな沿海地区からあまり発達していない地方都市にまで広がっていると指摘している。 2007年から、貴陽という中国西南部にある目立たない都市(貴州省の省都)は、多くの人の注目を引くようになった。この年、貴陽はエコ文明都市を建設する戦略・方策を決定し、グリーン勃興の攻略戦を開始した。ここ3年の間に、毎年300億元以上の投資プロジェクトを高消耗、高汚染、低効率を理由に拒絶したという。 「エコの優位性は貴陽で最も独特な優位性であり、どれほど高いGDP成長にも引き換えることのできない『立派な肩書き』です」と、十八大代表である李軍貴陽市党委員会書記は語る。 「第11次五カ年規画(十一・五規画)」(2006〜2010年)期間中、中国の省エネ効果は累計6億3000万トン(標準炭換算)に達し、単位GDPの消耗率は19.1%低下し、二酸化硫黄の排出量、排水の化学的酸素要求量のいずれも大幅に降下した。 「エコ文明とは、持続可能な発展をグリーン発展のレベルにまで高めることで、つまり後世の人々が『涼をとる』ために『植樹する』ことです」と、十八大代表である清華大学の胡鞍鋼教授は説明する。経済の現代化を一途に求めた時代から、経済、政治、文化、社会、エコ文明建設を含むより全面的な現代化まで、中国の現代化は全面的に促進・調和し、またより「中国の特色ある」新段階に入っている。持続可能な発展とはすなわち後世に悔いを残さないことで、グリーン発展とはすなわちエコ投資を増やし、より多くのエコ資産を残すことである。
人民中国インターネット版 2013年9月
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