鳥取県:観光ツアーから特産物PRへ

文・写真=王焱

鳥取県産業振興機構の黒住昭夫専門相談員は、鳥取県のコーナーで企業のスタッフに混じって特産品のPRに余念がなかった。同県がこの博覧会に参加するのは、すでに8回目。黒住氏は、「最初のころは、主に観光ツアーに力を入れていましたが、ここ数年は、中小企業の要請があり、精米機、しょう油、コーヒー、日本酒など、中小企業の特産品のPRに努めています」と説明してくれた。

鳥取県産業振興機構の黒住昭夫専門相談員(右)

同県の中小企業も中国のパートナー探しに躍起になっている。黒住氏は、「どんな企業でも、中国に来れば、必ず順調に進められると思うのは大間違いです。良いビジネスパートナーは一生懸命努力して探さなければ見つかりません」と、楽観論を戒めている。

最大の難関は中日両国の企業がいかにしてお互いに信頼関係を築くかにあると黒住氏は考えている。「中国人の商習慣と日本人の商習慣には大きな違いがあります。双方が自分たちの商習慣にこだわって商談しようとすれば、いくら時間を掛けても、まとまらないことが多い」

この問題を解決するため、相手の身になって考えるべきだというのが黒住氏の持論だ。「日中両国の企業はぞれぞれ自らのリスクがあります。お互いにリスクを最小限にし、それぞれの優位性を発揮した方がいいと思います」と彼は言った。

「日中両国は隣国であり、地理的に引越しできない関係にあり、いいパートナーになるしかなりません」と、分析する。「両国関係の悪化は、確かに日本企業に中国進出のリスクが増大したと感じさせました。しかし、日本の国内市場は縮み、日本に残っていてもリスクが大きい。リスクを比べてみると、中国市場に進出する方が把握しやすいです」

黒住氏は、日本の中小企業はただ両国関係の好転を待つしか方法がないというやり方は良くないと主張し、「こういう厳しい情況に直面すればするほど、積極的にならなければなりません。日本の中小企業を中国に、中国の中小企業を日本に紹介し、ひいては両国が助け合って東南アジアなどの新興市場を開拓します。こういう関係が築けたら、これに勝ることはないでしょう」と力説していた。

 

 

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