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張春侠＝文 写真＝馮進
農耕はつらい労働であるため、多くの若者は農地を捨て、都市に出て労働者となる。しかし、李春風さん（三四）は都市生活を捨て、故郷の腰泾村へ戻って、最も若い農場主となった。
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| 500頭のブタを飼育し、200ムーの畑を耕作している李春風さんは、自分の「農耕＋畜産」という家庭農場パターンを語りながら、自信の微笑みを浮かべる。村の住民委員会主任は、「彼のように農村へ戻って耕作する若者は本当にありがたい」と言う |
李さんの農場へ来ると、ずらりと並んだ説明ポスターがまず目に飛び込んでくる。そこには、家庭農場の規模から、請負年限、経営手順などが一目瞭然に書かれている。「見学者が多いので、役所がわざわざこの説明ポスターを作ってくれたのです」と、李さん。楊さんの農場と違って、李さんの水田の傍には三ムーの養豚場があり、そこには近代的な通風・温度コントロールシステム、糞尿収集利用設備が備わっている。このような養豚場を建設すれば、少なくとも八十万元はかかる。普通の農家にとってこれは簡単に出せる金額ではないが、李さん自身はびた一文も払っていない。「養豚場は松江区の全額出資で造られたもので、かつ使用料も必要ありません」
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| ブタの世話をするために、田んぼの中に建てた小屋に住み込んでいる李さんは、暇な時にネットで耕作や養豚、販売に関する情報を調べる | しかし、ここで飼われているブタは李さんのものではなく、松林工貿有限公司という会社から飼育を委託された「飼育代行」ブタで、一匹につき五十元の飼育代行料を受け取っている。子豚と飼料は全部会社から提供される。李さんは会社が決めた手順に従ってブタを飼い、ブタが十分に大きくなったら、会社が回収にやってくる。ブタが病気になった時には、家畜専門の会社が治療の責任を負う。もちろん、農場はブタを死なせてはならず、もし死んだ場合には、お金も差し引かれる。「養豚場は人と離れていてはいけません。毎日、養豚場内に問題がないかどうか、何回も見て回ります」妻は町で働いているので、養豚場は李さん一人で管理している。夜は妻と共に養豚場の隣にある小屋で休む。「養豚場の糞便を毎日一、二回清掃します。夏には養豚場に入るとすぐ、服が汗でびっしょりになります」と、李さんは言う。しかしこの努力は報われ、李さんの養豚場では、毎回500頭のブタを年に2.5回出荷し、年間の収益は七万元にも達する。
養豚は李さんの収入の一部に過ぎず、その他にも二百ムーの畑を請負い、水稲と小麦を栽培しており、その収入も極めて多い。李さんは以前、農民の収入は低く、何の保障も受けられないと思い、村の他の若者のように、学校を卒業してすぐ都市に出稼ぎに行った。二〇〇七年、父の李愛雲さんが村で第一期の家庭農場主になったため、彼は田舎に戻り、父と共に農業を始めた。「私の計算では、農業は出稼ぎよりもお金を稼ぐことができます」と、確固たる口調で李さんは語る。
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| 李さんは養豚場で排出された糞便を田んぼにまいて、肥しとする（写真＝泖港鎮） | 李さんの父が農場主になった時、村の百十七ムーの田畑を請負い、政府の補助金も加えると、その年の収入は七、八万元にもなった。普段は父と息子で農場を管理し、農繁期になると、アルバイトを雇い入れた。父が六十歳になり、定年を迎えたため、李さんが父の後を継ぎ、家庭農場主となった。二〇一一年、その真面目な仕事ぶりが認められ、何度も賞を獲得し、村の審議・許可を得て、耕作面積も二百ムーに拡大し、養豚場も建設され、農耕と畜産を結びつけた家庭農場主となった。
このような「農耕＋畜産」という家庭農場モデルは、李さん一家に多くの収益をもたらした。そして、豚の糞尿を田にまいて肥料とする方法によって、二〇％ほど化学肥料の使用量をカットし、耕作コストを下げることもできた。
今では、李さんの家庭農場の年収は二十万元に達する。彼は農業機械購入補助金を申請し、トラクター二台、コンバイン一台を購入した。収穫の際に自分で利用するだけでなく、他の家庭農場の収穫を手伝うこともある。今年、李さんはさらに、農業機械協同組合を成立させた。「今は三年ごとの契約ですが、五～十年の契約期間になればいいと思います。さらに言えば、政府の補助がこれからも続いてゆくことを望んでいます」
二〇一二年末の段階で、松江区には李さんのような農耕と畜産を結合させた家庭農場が五十三戸ある。豚の糞尿を水田に利用し始めてから三年後に、化学肥料の使用量を三〇％減らすことができるようになるとのことである。
人民中国インターネット版 2013年10月
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