機械化を目指して

 

張春侠=文  写真=馮進

黄橋村の張小弟さん農業機械と農業を結びつけた家庭農場パターンを紹介してくれた
兪主任の案内で、黄橋村のある農家の前にやってきた。柵越しに庭の中を見ると、錆付いた農業機器がたくさん積み上げられている。「ここは農業機械の整備工場ですか」と聞くと、「張小弟さんの『農業機械農民相互援助組合』です」と、兪主任が答えた。

二〇〇九年、家庭農場の農業機械への需要に応えるため、松江区農業委員会は農業機械専門協同組合を設立した。しかし、農繁期になると、みんな一斉に農作物の収穫に取り掛かるため、組合から刈取機を借りる予約の長いリストができあがった。二〇一二年、松江区は「農業機械農民相互援助組合」を試験的に成立させ、張小弟さん(四九)がその経営者の一人となった。張さんはトラクター三台と刈取機二台を持ち、自家の耕作を行う一方で、周辺の家庭農場に農業機械貸し出しサービスを提供している。

他の家庭農場主と異なるのは、張さんは百九十八ムーの農地を耕作する一方で、農業機械の改造と発明を行っていることだ。「これは不用となった刈取機を改造した搬送機です。穀物を運ぶ時、一台のトラックに四十五㌔入りのもみ袋七百袋を載せますが、今まではもみ袋はすべて人手でトラックに積み込んでいたため、積み終わるまでに三時間かかっていました」と、張さんは入り口にある大きな機械を指しながら説明する。「この搬送機を使うと、積み込み時間が半減するばかりか、一袋二元という人件費も節約できます」「この建築現場で使われなくなったミキサーもそうです。改造して、肥料をかき混ぜたり、薬をまいたりできるようにしました。今まで十三人必要だった作業が、六、七人でできるようになりました」

張さんの自宅の庭には、田をならす機械、直播機、さらに彼が改造・発明したさまざまな名もない機械がたくさん置かれている。幾つあるかは本人も定かでない。改造と発明を行うようになったきっかけについて、「人手が足りないからです。特に農繁期になると、人を雇おうとしても雇えません。そこで、機械に目を向けたのです」と張さんは語る。これらの小さな改造、発明のおかげで、労働の強度が大幅に軽減され、生産効率が向上し、コストも一五%以上低下した。「今では、一人で八百ムーの耕地を請負っても大丈夫です」と、張さんは自信満々に言う。

張さんの名前が冠された農業機械連合相互扶助ステーションは、村の家庭農場が播種・収穫などを行う際に農業機械を提供し、食糧生産効率を大いに高めた 張さんが改造した農業機械は現地の耕作に適していて、村中の農家に人気がある

統計によると、現在、松江区において、農業機械を利用している家庭農場は百四十戸あり、その経営面積は計一万七千八百ムーである。「現在の家庭農場モデルはまだ始まったばかりなので、規模は小さく、これから農業機械の利用が進めば、農業の大規模化・機械化が実現できるでしょう。これが家庭農場が今後目指す方向です」と、兪主任は語る。

品質安全のために、各農家が使用する科学肥料・殺虫剤は、必ず村が指定した「農業総合サービスステーション」で購入しなければならない

 

人民中国インターネット版 2013年10月

 

 
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