多様な生徒に教える楽しみ
 

翠尾 夕子さん(34) 

長野県出身。琉球大学で日本語教育を専攻し、卒業後1年間アルバイトをして資金を貯め、2003年から上海の東華大学に留学。その後、上海で歯科医院の受付や日系企業の事務などの仕事を経験、2010年から昂立新日語の専家教師として日本語を教えている。 

 

――上海に来られたきっかけを教えていただけますか。

中学生の頃から日本語の先生になりたいと思うようになり、大学でも日本語教育を学びました。卒業後、一度海外を経験しようと考え、日本から近く費用も安くて済みそうな上海を選びました。東華大学の中国語コースに留学したのですが、初めて自分のお金で行動を起こしたこともあり、ずいぶんまじめに勉強しました。その後、こちらに残って仕事をしようと思ったのですが、当時はまだ日本語の先生をする自信がなく、ほかの仕事を経て昂立新日語に来たのが2010年でした。

――日本語教師の実践は初めてだったわけですが、いかがでした。

学生時代は、文法を分かりやすく教えたいなどと考えていましたが、この学校では「中国語は話さないでください。会話を教えてください」と言われました。文法は中国人の先生が教えるのです。なるほど、考えてみればそれが合理的だなと思いましたね。

――日本語を学ぶ生徒さんにはどんな方が多いのですか。

本当に、いろいろな生徒さんがいらっしゃいます。積極的な方もいれば、受け身な人もいます。レベルや目標もさまざまで、日本に留学するための準備という事情もあれば、日系企業の就職面接を受けるための訓練をしに来ているケースもあります。アニメが好きで、将来日本に行ってアニメの仕事をする希望を持って学んでいる場合もあります。出身地もさまざまで、上海付近だけでなく、黒龍江省や新疆ウイグル自治区といった遠い場所から来ている人もいます。

――仕事は順調ですか。

ありがたいことに順調にさせていただいています。まだ2年半の経験しかありませんが、生徒さんがたくさんいる教室でも、教室を広く見て授業を進められるようになったかなと思います。あとは、いろいろな方がいる中で、その生徒さんに合わせた指導ができるようになってきました。

――生活面についてもおうかがいしたいと思います。休みの日は何をしておられますか。

仕事は本当に楽しく、仕事をしながらストレス発散ができてしまうほどで、生徒さんと一緒に、楽しんで授業を進められるのはとてもいいなと思います。退勤後は、よく同僚の先生方と食事に行ったりします。授業の入り具合を見て休む日を決めていて、休日は不定期です。それもあって、休日はもっぱら家にいて出かけもせず、家の中でも本当に何もしませんね。

――日本から来る知り合いの方を案内される場所とか、オススメのスポットなどはありますか。

普段出歩くのが好きではないので、日本から来る人をアテンドするのは得意ではありません。相手が旅行慣れしている方だと、案内しても「あ、もういいです」と言われそうです(苦笑)。ただ、最近発見して感動したものがあります。それは、ローカルなスーパーに並んでいた焼き餃子です。こちらでは水餃子が一般的ですが、見つけたのは完全に日本風の焼き餃子で、しかも安くて美味しいのです。こうした、思いがけない発見があるのが上海かもしれませんね。(聞き手=井上俊彦)

 

人民中国インターネット版 

 

 
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