お茶から広がる趣味の世界

 

 

大西絵美 さん(39) 

大阪でホテル勤務の後、2003年に結婚して上海に。衣料品のプリントなどを行う会社・上海普楽滋服飾有限公司を経営するご主人と、上海市金山区で暮らす。中国茶に精通しており、茶芸師と評茶師の資格を持つ。 

――早い時期から郊外の金山区にお住まいですが、生活に不便を感じることはありませんでしたか。

2001年に主人が金山区で起業しました。他社に先駆けて進出したことや先端の機械を導入するなど特長を出したことで、経営も好調に滑り出すことができました。その様子を見て、私もこちらに来たのですが、それまでは中国自体にまったく関心がなく、旅行でも訪れたことがありませんでした。どんなところか想像ができなかったので、逆に先入観もなく、金山区での生活もこんなものかなと思いました。

確かに日本に比べると不便で、市内までは普通バスで片道3時間以上かかっていました。工場の前の道も未舗装で砂ぼこりが舞い、夏は夜通しカエルの声がうるさい、日本で言えば「昭和」な世界でした。娯楽もなく、VCDを見るのが唯一の楽しみでしたが、それまで10年間働いてきたので、ここではのんびりしてやろうというくらいの気持ちでしたね。   ――現在の上海とは大きく違う感じですね。

上海からよそに引っ越された方が「上海で暮らしていけない日本人は、たぶん世界中どこに行っても暮らせないと思うくらい上海は便利」と言っておられました。現在の上海は、リトルトーキョーかというくらい日本人が求めるものが何もかもそろっています。でも、それが当たり前だと思ってしまうと、何かの時に出現する感覚の違いにイライラすることになるかもしれません。実際にそういう方のお話もうかがいます。私は、「自分がよその国に来ているのだから、日本の規準で指摘ばかりしないほうがいい」という夫のアドバイスもあって、こちらの生活を自然に受け入れることができました。

――中国茶がご趣味で、茶芸師や評茶師の資格もお持ちだそうですが。

たまたま友人について見学に行ったのがきっかけで始めたら、おもしろくなりました。上海ではいいお茶が安く手に入ります。詳しい方についてお茶市場に行ったら、新しい情報も入るようになってまた楽しくなりました。いろいろ飲みたいなと思うようになり、道具をそろえるとさらに楽しくなって、資格も取ろうということになったのです。

今は、点心教室で先生のアシスタントのようなことをやっていますが、点心づくりも、お茶から発展して始めました。上海では本当に多くの習い事ができます。フラワーアレンジメント、中国結び、アクセサリーづくりなどなど、安く学べるものが多数あります。あまりに多すぎて、いろいろ手をつけると収拾がつかなくなりそうで、私の場合はお茶に関連するものにしぼって趣味を広げてきました。 ――上海でのオススメをおうかがいしたいのですが、やはりお茶関係でしょうか。

中国茶に関心があるなら、お茶市場に行ってみるのもいいでしょう。日本語が通じるお店もあります。また、お茶教室でも1日体験コースのようなものがあります。2時間くらいの入門コースで、勉強しながらお茶を楽しむものです。お友だちのご両親が参加されたのですが、先生がきちんと説明、表現してくれますので、中国茶の飲み方が分かって楽しいと好評だったそうです。(聞き手=井上俊彦)

 

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