上海自貿区は9月29日、正式に発足し、『全体方案』と実施細則(一部)が発表され、この「新たな改革開放の実験場」の輪郭は模糊とした段階から次第に明確になってきた。
当初、国内メディアや投資家たちはこの国家新戦略に対し推測を繰り返し、気持ちを高ぶらせた。その結果、港湾や物流などに関連する株が相次いで「ストップ高」となり、さまざまな優遇政策のうわさが絶え間なく流れた。金融改革はさらに大いに議論され、まるで金利の市場化や人民元の自由兌換が直ぐにでも実現できるかのような雰囲気だった。しかし目下のところ、『全体方案』は「優遇政策大全」ではなく、関連実施細則も政策の変化の突破口にはなっていない。
これに反して、海外メディアはこの変化を静観し、冷ややかな目で報じた。米『ウォールストリートジャーナル』は、上海自貿区は改革拡大の実験ではなく、「中国政府はできるだけ小規模な改革を演習しているに過ぎない」との見解を報じた。『読売新聞』は、大手国有企業は集団的にボイコットするに違いない、中国が大なたを振るうような改革するかどうかは「未知数」と予言した。
生まれたばかりの上海自貿区に対し、実情にあわない期待もいけないし、事情を知らずに見下すべきではない。この改革の実践は、中国が世界に向けてモデルチェンジし、変化を求める全く新しい試みであり、重大な水先案内の役割もあれば、さまざまなリスクも伴う。指導者は市場化の方向を堅持する一方、中国経済の真の境遇を明確に把握し、浮上する可能性がある矛盾や障害を克服しなければならない。こうした意義から言うと、上海自貿区の設立は、「地に足を着けた飛翔」と言え、各方面は客観的、実務的な態度で見守るべきだろう。
人民中国インターネット版 2013年10月
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