上海自由貿易試験区「入口は広く管理を厳格に」

 

中国(上海)自由貿易試験区はプレートを掲げて運営がスタートしてから1カ月が経った。同区に求められる「投資分野の開放拡大」という役割を積極的に実践し、イノベーション投資参入制度の改革に力を入れるとともに、「入口は広く管理が厳格」なビジネス環境の創出に力を入れている。人民日報が伝えた。

同試験区では先月29日までに、外資系企業21社が「工商手続きの一括受理」システムで手続きを終え、新たに設立された。登録資本金は5億2500万ドル、1社あたり平均は2500万ドルで、昨年の7倍に当たる。また手続きを終えて新たに設立された国内資本企業は213社、登録資本金は27億5千万元、1社あたり平均は約1300万元で、昨年の3.5倍だ。これらの新設企業には、世界企業上位500社に名を連ねる企業もあれば、国内の著名な中央企業(中央政府直属の国有企業)や民間企業もあり、同試験区に進出した企業の質が向上したことは明らかだ。

現在、同試験区はネガティブリストに基づく管理モデルの構築を積極的に模索しており、ネガティブリストに掲載されていない分野については「国内資本と海外資本の一致」の原則に基づくこととし、外資系企業による投資プロジェクトの審査承認、外資系企業の契約をめぐる規定の審査承認、海外の投資プロジェクト・企業の審査承認を登録制に改める。また工商登記制度と商事登記制度の改革が連動するよう積極的に推進し、登録資本金応募登記制、「照会を先にし証明を後にする」登記制といった「入口を広くする」措置を試験的に取り入れる。

入口を広げた後は、管理を厳格にすることが必要だ。同試験区では事前審査の重視ではなく、進行中と事後の監督管理を重視する方針を取り、次の5点をしっかり実行する。(1)投資主体への告知承諾では、投資する側の法人代表が登録と承諾の内容に責任をもつ(2)登録情報をインターネットで公示し、社会や関連部門の監督を受ける(3)情報の交換・共有の監督管理では、商務部(商務省)のブラックリストシステムに基づいて登録主体の資格をリアルタイムで照会する(4)登録機関を定期的にチェックし、実際の情況と承諾の内容とが一致していないことがわかれば、法律に基づいて関連の企業や個人の責任を追及する(5)投資プロジェクトや投資企業が安全審査や反独占審査で合格とされる範囲にある場合は、速やかに関連の審査メカニズムを発動する、の5点だ。

入口を広くすれば市場の主導的な役割を発揮させることができ、管理を厳格にするには政府が公平で公正なビジネス環境を提供し、保障することが必要になる。同試験区管理委員会の責任者によると、同試験区はこれから政府と企業との契約関係の構築をさらに進める方針だ。同委は国際的に通用するルールに基づき、中国の国情を踏まえて模索を続け、各種の管理措置を不断に改善し、企業が法律に基づいた経営や規範化された経営を行うよう積極的に誘導していくという。

 

「人民網日本語版」2013年11月1日

 

 

 
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