山間にあるそれほど大きくない池で、農家の奥さんが水面に点在する小さな丸い葉っぱの下にある柔らかな水生植物の芽を摘んでいる。芽の周りには透明のジェルのような物質が取り巻いている。地元の人が、あれはジュンサイを収穫しているところだと教えてくれた。寒天質のぬめりはムチンという成分で、美容や老化防止に効果があるという。日本では、秋田県で少量生産されており、秋田美人の美容の秘密の1つとも言われるジュンサイだが、栽培には汚染のない優れた水質が求められる。
日本の方々は食用ジュンサイの原産地を特に気にしていないかもしれないが、東京のスーパーで売られているものの一部は、実はこの石柱県で取れたものだ。石柱県は辺ぴな場所だが、日本のビジネスマンがひっきりなしに訪れている。健康と美容に関心が強い日本人は、ジュンサイの価値に早くから気づいているのだ。
現在では、石柱県を挙げてジュンサイの栽培に力を入れており、900万平方メートル近い水田で年間3000トンを生産している。輸出先は主に日本で、化粧品や健康食品の原料とされている。また、石柱県は地元での関連商品開発を進めており、せっけんやフェースパックなどがすでに商品化されている。